- 顧客資料に「最新のAI」と書いて安心している人
- 今週の発表を、提案の強みに足したくなる営業
- 自社が実際に使える範囲を、金曜に言えない経営者
金曜の夕方、提案書は厚くしたくなります。火曜は分類。水曜は一般版と制限版。木曜は入口。名前は揃っています。揃っていると、「最新なら同じことができる」と書きたくなります。
書きたくなる気持ちは分かります。ただ、金曜に外す一行は価格ではありません。「最新なら同じことができる」です。
同じ家族名は、同じ仕事を保証しない
この週の公式文は、入口を分けています。Astra の最先端能力は限定する。Mythos は信頼できるプログラム経由。Gemini 3.8 Flash Cyber は Fairwind 向け。一般で使える版もあります。あることと、自社の提案に書けることは、別です。
先週金曜に書いたのは、導入価格が年末で切れる前提なら、見積に来年の単価を残すことでした(導入価格が年末で切れる前提なら、金曜に残す見積は「今の単価」ではない)。あちらは API トークンの導入価格です。今日外すのは、価格ではありません。能力の同一視です。価格を直しても、「同じことができる」が残ると、顧客は入口の違いを聞きません。聞かれない違いは、受注後に戻ってきます。
初回の場で決められないと、提案は綺麗な仮説のまま浮く、という話もあります(初回の場で決められないと、提案は「綺麗な仮説」のまま浮く)。金曜の仮説が「最新なら同じ」だと、決める地図は製品名だけです。製品名だけの地図は、来週の発表で古くなります。古くなった地図で、次の約束は置けません。
提案に残すのは、自社が使える範囲である
金曜に残す文は、短くてよいです。
自社が今使える画面と、そこで止める仕事。
火曜に書いた使わない仕事。水曜に書いた一般版の境界。木曜に書いた止める条件。三つが揃っているなら、提案は薄くなります。薄い提案は弱いのではありません。再現できます。再現できる提案は、顧客が「最新ですよね」と聞いたとき、画面の名前で答えられます。
問い合わせが減った週に、件数より先に見る一行、という話の型でもあります(問い合わせが減った週に、件数より先に見る一行)。金曜に先に見る一行は、受注件数ではありません。提案から外した一文です。外していない週は、件数の前に前提が割れます。
割れ方は、だいたい同じです。顧客が「防御にも使えますか」と聞く。社内は「最新です」と返す。返したあとに、Fairwind も Mythos も Astra の限定能力も、自社の契約に無い。無いものを「同じことができる」で繋ぐと、次の約束はデモの日程になります。デモの日程は、使える範囲の代わりにはなりません。
見積のあと次の約束がない、という話の延長です。違うのは、約束の中身です。金曜の約束は、新モデルの説明会ではありません。自社が今使える画面で、どこまでやるかです。
金曜に残す一行は、最新の名前ではない
今週の金に書く一行は、これで足ります。
提案から「最新なら同じことができる」を外す。
外したあとに残すのは、自社が使える範囲です。範囲が書けないなら、提案は来週でもよいです。来週まで待っても、家族名はまた増えます。増える名前に追いつくより、使える範囲を短くする方が、金曜の仕事は終わります。
営業の小さな一歩は、次に連絡する日をカレンダーに置くこと、という話の延長でもあります(営業の小さな一歩は、「次に連絡する日」をカレンダーに置くこと)。金曜に置く日は、新発表の解説ではありません。顧客と、使える範囲を一行で確認する日です。確認できない範囲を、最新の名前で埋めない。埋めない一文が、今週の終わりです。終わり方が短い金曜は、来週の月曜が軽くなります。
提案の強みを、最新の名前から使える範囲へ戻します。tugiloは、金曜に残す判断を短くします。