この記事はどんな人向けか
  • 自分ではAIを使っているのに、会社としては何も決めていない人
  • 月曜の朝に「今週こそ導入を進めよう」と思いがちな経営者
  • 利用率の話が先に出て、仕事の名前が後になる現場

月曜の朝、数字は揃っています。使ったことがある人は、去年より多い。周りでも、下書きや調べものはAIに頼んでいる。だから今週は、導入計画を一枚にまとめたくなる。

まとめたくなる気持ちは分かります。ただ、先に決めるのは計画ではありません。まだ名前の付いていない仕事を、一つ書くことです。

使ったことがある人は、倍以上に増えた

総務省は2026年7月24日、令和8年版情報通信白書を公表しました(報道資料)。個人向け調査では、生成AIサービスを一つでも使ったことがある人の割合は日本で 58.8% です。2024年度調査の 26.7% から上がっています(白書本文)。中国は93.6%。日本は低い、という読み方もできます。低い、の前に見るべきは、一年で経験率が倍以上に動いたことです。

経験率が動くと、現場ではこう言われます。「もう使っている」。使っていることは、会社の仕事が変わったことではありません。個人の経験と、会社に残る判断は、別の列です。

企業側にも数字はあります。ただし設問が違うので、月曜は個人の経験率だけを見ます。会社としての取組の話は、別の日に分けます。

導入計画が先になると、仕事は匿名のまま残る

計画の一枚には、ツール名と開始週が並びます。並ぶと、進んでいる気になります。気になるだけなら害は小さい。害が出るのは、誰のどの仕事かが空欄のまま進むときです。

空欄の仕事は、使える人のところへ流れます。使える人に仕事が集まる話は、すでにあります(AIを一番使える人に、一番仕事が集まっていないか)。月曜に計画だけ置くと、水曜にはその人の受信箱が入口になります。入口になった人は、使っているように見えます。見えているものは、利用率です。利用率は、経験率と同じ種類の数字です。数字は増えても、会社の判断は増えません。

決める人と使う人が同じ会社では、ルールが残りにくい、という話もあります(決める人と使う人が同じ会社ほど、AIのルールは残らない)。ルールを書く前に、仕事の名前が要ります。名前が無いルールは、個人の癖のメモです。

月曜に残す一行は、ツール名ではない

今週の最初に書く一行は、これで足ります。

まだ名前のない仕事を、一つ書く。

見積の前提確認。顧客への返信。議事録の公開判断。どれでもよい。一つでよい。困っている作業を一つ書く、という話の延長です(業務改善の最初の一歩は、「困っている作業」を一つ書くだけでいい)。違うのは、AIを足す前ではなく、経験率が上がったあとに書く点です。

書いた仕事に、人の名前を付けます。付けるのは担当です。AIの名前ではありません。担当が言えない仕事に、ツールを足すと、経験率がまた一人分増えるだけです。増えた経験は、来週の計画の材料になります。材料が増えるほど、名前のない仕事も増えます。

AIを入れる前に、やめる仕事を一つ決める話もあります(AIを入れる前に、やめる仕事を一つ決める)。月曜は、止める仕事と、名前のない仕事のどちらでもよい。どちらも、計画より短いです。短い一行がある週は、金曜に「何が進んだか」を言えます。無い週は、利用率の話に戻ります。

経験率は、もう十分動いています。動いたあとに残すのは、新しい計画ではありません。まだ名前のない仕事、一つです。

利用経験が増えたあと、会社に残す仕事の名前から整理します。tugiloは、導入計画の前に判断の置き場所を決めます。