- 社内のAI利用が上限に当たり、「席を上げてほしい」と頼まれている人
- よく使う人に高いプランを渡すのが自然だと思っている経営者
- 金曜の振り返りで、使用量以外に何を残すか迷っている人
金曜の夕方、上限に当たった人から短いメッセージが来ます。
「席を上げてもらえますか」。理由は、よく使っているからです。よく使っている人に、余裕のある席を渡す。拒否する理由は、一見ありません。
無いように見えて、一つあります。使用量は、席を増やす理由としては弱いことです。
席の種類が増えた週に、起きていること
OpenAIは2026年8月10日、ChatGPT Business に Premium 席を出すと発表しました(Premium seats are coming to ChatGPT Business)。公式の範囲は、次のとおりです。
- Premium は Standard の5倍の利用量。5時間制限は無い
- 料金は月額125ドル、年払いなら月あたり100ドル
- Standard は月額25ドル、年払いなら月あたり20ドルのまま
- 同じワークスペースで、席の種類を混ぜられる
- 一般提供の前にウェイトリストがある。早期登録の特典は8月20日まで
席を分けられる、は便利です。分けられると、現場は「よく使う人」へ高い席を寄せます。寄せ方は自然です。自然な寄せ方が、別の詰まりを固定することがあります。
AIを一番使える人に、一番仕事が集まる話は、すでにあります(AIを一番使える人に、一番仕事が集まっていないか)。席を上げると、その人はさらに止まれなくなります。止まれない人の使用量は、来月も上限に見えます。上限に見えるので、また席を上げます。
使用量は、仕事の集まり方の結果です。結果を、原因にしてはいけません。
金曜に見る一行は、通数ではない
一週間のAI利用を振り返るとき、残すのは便利さではなく判断の一行、という話もあります(一週間のAI利用を振り返るとき、残すのは便利さではなく判断の一行)。金曜に人が引き取った一件の理由を残す、という型もあります(金曜に残すのは、人が引き取った一件の理由一行)。
今回足すのは、席の話です。席は、役割を固定します。高い席を渡した人は、来週も重い仕事の入口になります。入口になった人の判断が、会社の判断に見えます。見えたまま一ヶ月経つと、席を減らす理由が無くなります。
振り返る一行は、これです。
この席を増やしたあと、人が決める仕事は何か。
人が決める仕事が言えないなら、席を増やす理由は「止まらないようにする」だけです。止まらないことは、進んでいることではありません。実験と本番の枠を分ける話と同じで、枠が無いと全部が本番に見えます(AI予算を増やす前に、実験枠と本番枠の境界を一行で分ける)。
人が決める仕事が言えるなら、席はそこに置きます。置いた席の人に、全部を寄せない。寄せない、と金曜に言っておかないと、月曜からまた集まります。
高い席は、役割の名前と一緒に出す
Premium を買うこと自体を、否定しません。よく使う仕事が、会社にとって粗利の残る仕事なら、席は安いことがあります。安いと言い切る前に、役割の名前を付けます。
名前の例は、三つで足ります。見積の下書き係。社内文書の整理係。顧客対応の下書き係。三つとも同じ人にしない。同じ人にすると、席は一人の負荷上限になります。
上限に当たった人が、その三つ全部を持っているなら、席ではなく仕事を分けます。分けてから、足りない席だけを足します。分ける前の席は、感謝の形になりやすいです。感謝の形は、翌金曜も同じメッセージを呼びます。
金曜の終わりに残すのは、使用量のグラフではありません。来週、人が決める仕事の一行です。その一行があれば、席の話は短く終わります。無いと、席の話が、来週の最初の仕事になります。
席を増やす前に、人が決める仕事の一行を残します。tugiloは、使用量の前に役割の設計から入ります。