- 利用率の数字は見ているのに、毎日何に使っているか言えない人
- 月曜の朝に「もっと使おう」から始めがちな経営者
- 経験した人と、毎日置いている仕事を同じ列で見ている現場
月曜の朝、経験率はもう十分に聞こえます。使ったことがある。周りも使っている。だから今週は、利用率を上げる話から入りたくなります。
入りたくなる気持ちは分かります。ただ、先に見るのは利用率ではありません。毎日1時間以上、どの仕事に置いているかです。
経験率と、毎日の置き場は、別の列である
総務省は2026年7月24日、令和8年版情報通信白書を公表しました(報道資料)。個人向け調査では、生成AIサービスを一つでも使ったことがある人の割合は日本で 58.8% です(白書本文)。調査期間は2026年1月から2月です。
同じ白書は、頻度も分けて書いています。日本では「ほぼ毎日」利用すると答えた割合は 約3割。「ほぼ毎日1時間以上」に限ると 1割超 です。経験した人と、毎日置いている人は、同じ数字ではありません。
先週書いたのは、経験率が上がったあとに、まだ名前のない仕事を一つ書くことでした(個人の利用経験が増えた週に、最初に決めるのは導入計画ではなく「まだ名前のない仕事」)。月曜の続きは、名前の次です。名前を付けた仕事に、毎日1時間以上置いているかどうかを見ます。
経験率は、入口の人数です。毎日1時間以上は、置き場の濃さです。入口の人数で週を始めると、置き場の濃さは金曜まで見えません。
利用率を追うと、薄い利用が残る
利用率を上げる話は、短いです。「まだ使っていない人を減らす」。短いので、会議に載せやすい。載せやすい数字は、薄い利用を隠します。
薄い利用は、こう残ります。
- 一度試した人が、経験率に入る
- 週に一度の下書きが、利用率に入る
- 毎日1時間以上置いている仕事の名前は、誰も言えない
今日見る数字を一つ決める、という話はすでにあります(数字を増やす前に、今日見る数字を一つだけ決める)。月曜に選ぶ一つは、利用率ではありません。毎日1時間以上置いている仕事の名前です。名前が無い利用率は、経験率の言い換えです。
困っている作業を一つ書く話の延長でもあります(業務改善の最初の一歩は、「困っている作業」を一つ書くだけでいい)。違うのは、困りごとの次に、毎日置いているかどうかを見る点です。困っているのに週1回なら、置き場はまだ薄いです。薄い置き場に人を足すと、経験率だけがまた増えます。
毎日1時間以上は、長い時間を褒めているのではありません。白書の区分を借りて、薄い利用と濃い利用を分けて見るための物差しです。1時間に満たない毎日も、白書は「ほぼ毎日」に入れています。月曜は、その中の濃い方だけを見ます。濃い方が無い会社で利用率を上げると、薄い利用の人数が増えます。
月曜に残す一行は、利用率の目標ではない
今週の最初に書く一行は、これで足ります。
毎日1時間以上置いている仕事を、一つ書く。
見積の前提確認でも、顧客への返信でもよい。一つでよい。書けないなら、経験率は十分でも、会社の仕事にはまだ乗っていません。乗っていない仕事に、利用率の目標を足しても、金曜に残るのは「使った人が増えた」です。増えた人が、どの仕事に毎日置いたかは残りません。置けない仕事は、個人の習慣のまま週末を越えます。越えた習慣は、来週また経験率の話に戻ります。
経験率は、もう動いています。動いた翌週に見るのは、新しい利用率ではありません。毎日1時間以上置いている仕事、一つです。
経験率の次に残すのは、毎日置いている仕事の名前です。tugiloは、利用率の前に判断の置き場所を決めます。