カスタマーサポートの問い合わせ対応をAIで3倍速にする運用設計
AIに任せたらトーンが合わず書き直した、という話は相談でよく出ます。問い合わせ対応は「誰の口で返すか」が大事なので、型を決めないとAIの文章はそのまま使えません。
カスタマーサポート担当の方が毎日対応する「問い合わせ」は、返信の型と例外を決めてから初めて、短縮に近づきます。tugiloが現場で使っている型をまとめます。
- 誰が: 問い合わせに対応しているか(サポート担当者・部門担当者)
- いつ: どのタイミングで発生するか(問い合わせ時/都度)
- 何を: 問い合わせに含まれる情報は何か(商品/サービス/不具合/その他)
- 判断はどこ: 人の判断が必要なポイントはどこか(技術的な質問/クレーム対応)
- どこが痛い: 時間・品質・遅延・機会損失のどれが一番大きいか
問い合わせ対応の「入力→処理→出力」を分解する
tugiloが現場で使う分解方法です。まず業務を3つに分けます。
Step 1:入力の整理
- 問い合わせ内容(商品/サービス、不具合、その他)
- 顧客情報(氏名、連絡先、購入履歴)
- 過去の問い合わせ履歴(同様の問い合わせ、解決方法)
例外: 緊急案件、技術的な質問、クレーム対応
Step 2:処理(問い合わせの対応)
- 問い合わせの分類(商品/サービス、不具合、その他)
- 回答の作成(FAQ、マニュアル、過去の対応例)
- エスカレーションの判断(技術的な質問、クレーム対応)
例外: 回答が不明確、エスカレーションが必要、特殊な要件
Step 3:出力(問い合わせの完了)
- 回答の送付(メール/チャット)
- 問い合わせ管理システムへの登録
- フォローアップの設定(必要に応じて)
例外: システムエラー、連絡先不明、追加の対応が必要
そのまま使える:問い合わせ対応プロンプトテンプレ
tugiloが実際に使っているプロンプトです。問い合わせ内容を入力して、回答の下書きを作成します。
以下の問い合わせに対応してください。
【問い合わせ内容】
- 商品/サービス: [商品名/サービス名]
- 問い合わせ内容: [内容]
- 顧客の状況: [状況]
【顧客情報】
- 氏名: [氏名]
- 連絡先: [メールアドレス/電話番号]
- 購入履歴: [購入履歴]
【過去の問い合わせ履歴】
- 同様の問い合わせ: [過去の対応例]
- 解決方法: [解決方法]
【出力形式】
問い合わせへの回答を以下の形式で出力してください。
1. 問い合わせの分類
- カテゴリ: [商品/サービス、不具合、その他]
- 優先度: [高/中/低]
2. 回答の下書き
- 挨拶文
- 問い合わせへの回答
- 追加の情報提供
- 次のステップの提案
3. エスカレーションの判断
- 技術的な質問: [エスカレーション要/不要]
- クレーム対応: [エスカレーション要/不要]
【注意事項】
- 緊急案件の場合は、優先的に対応する
- 技術的な質問の場合は、エスカレーションを検討する
- クレーム対応の場合は、丁寧な対応を心がける
```
以下のFAQを基に、問い合わせへの回答を作成してください。
【問い合わせ内容】
「商品Aの使い方がわかりません」
【FAQ】
- Q: 商品Aの使い方は?
- A: 商品Aは、以下の手順で使用できます。1. 電源を入れる 2. 設定を行う 3. 使用開始
【顧客情報】
- 氏名: [氏名]
- 連絡先: [メールアドレス]
- 購入履歴: 商品Aを1週間前に購入
【出力形式】
- 挨拶文
- FAQを基にした回答
- 追加のサポート情報
- 次のステップの提案
```
運用の型:3段階の確認ルール
AIで作成した回答は、必ず3段階で確認します。これで「ミスを見逃す」リスクを最小化します。
第1段階:自動チェック
- 問い合わせ内容が空欄でないか
- 顧客情報が正しい形式か
- 回答が空欄でないか
所要時間: 自動(0分)
第2段階:AI判定
- 回答の妥当性(FAQ、マニュアルとの整合性)
- エスカレーションの必要性(技術的な質問、クレーム対応)
- 回答の完成度(必要な情報が含まれているか)
所要時間: 2分/件
第3段階:人間の最終確認
- 緊急案件やクレーム対応
- 技術的な質問への回答
- 特殊な要件への対応
所要時間: 5分/件(全体の20%程度)
KPI:時間と手戻りを測る
tugiloが現場で測っている指標です。
対応時間: 15分 → 5分(67%削減)
手戻り率: 25% → 8%(68%削減)
初回回答完了率: 60% → 90%(30ポイント向上)
顧客満足度: 75% → 90%(15ポイント向上)
失敗を避ける:3つのチェックポイント
症状: AIで回答を作成したが、FAQが整備されていなくて回答の質が低い
対策: 最初に「FAQを整備する」ことが重要。AIはFAQを基に回答を作成する。
症状: AIが判断したエスカレーションが適切でない
対策: 「エスカレーションの判断は人間が行う」とルール化する。AIは「判断材料の提示」として扱う。
症状: 顧客情報が間違っていて、後で修正作業が発生
対策: 「顧客情報は必ず人間が確認する」とルール化する。AIは「下書き」として扱う。
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まとめ
問い合わせ対応をAIで効率化するポイントは3つです。
- FAQを先に整備する: AIはFAQを基に回答を作成する
- エスカレーションの判断は人間が行う: AIは判断材料の提示として扱う
- KPIで測る: 時間だけでなく、顧客満足度も見る
「AIツールを入れる」だけでなく、運用の型を設計することが成功の鍵です。