考え方

AI導入がうまくいっている会社は「AIの話」をしていない

AIの話をしている会社ほど、AI導入に失敗している。うまくいっている会社は業務の話から始める。tugiloが最初に聞く質問と、考え方の違いを解説します。

AI導入がうまくいっている会社は「AIの話」をしていない

この記事はどんな人向けか
  • これからAIを業務に導入したい経営者・現場責任者
  • 「AIで何ができる?」から話しがちで、なかなか定着しない担当者
  • 他社事例と自社の差が気になり、判断の軸が欲しい人

結論から言うと、うまくいっている会社は「AIの話」ではなく「業務の話」から始めています。 以下では、現場で見てきたパターンと、tugiloが最初に必ず聞く質問をまとめます。


はじめに

AIの話をしている会社ほど、AI導入に失敗している。

少し挑発的ですが、これは現場で何度も見てきた実感です。

ChatGPT、生成AI、業務自動化。

言葉としては正しく、流行にも乗っている。

それなのに、数ヶ月後に聞こえてくるのは決まってこうです。

  • 「思ったほど使われていない」
  • 「一部の人だけで止まっている」
  • 「結局、前のやり方に戻った」

一方で、

驚くほど静かにAIが定着している会社もあります。

そういう会社ほど、最初からAIの話をしていません。

話しているのは、いつも**「業務」の話**です。


AIの話から始めると、なぜズレるのか

AI導入がうまくいかない会社の打ち合わせでは、最初にこんな言葉が並びます。

  • 「どのAIがいいですか?」
  • 「AIで何ができますか?」
  • 「他社はどう使ってますか?」

どれも自然な質問ですが、

ここには一つ、大きな問題があります。

自分たちの業務が、ほとんど言語化されていないのです。

  • どこで詰まっているのか
  • 何が一番面倒なのか
  • どこで判断に迷っているのか

この話が出ないままAIの話をすると、導入は「目的のない手段」になります。

結果として、

  • 使い方が人任せになる
  • 正解が分からず触られなくなる
  • 忙しくなると後回しになる

こうして、AIは「よく分からないもの」になります。


うまくいっている会社の会話は、とても地味

一方で、AIが自然に使われている会社の会話は驚くほど地味です。

  • 「この作業、毎回同じこと考えてない?」
  • 「ここ、誰がやっても結果変わらないよね」
  • 「正直、やらなくていい仕事じゃない?」

派手なAI用語は出てきません。

むしろ、「愚痴」に近い話から始まります。

そしてある瞬間に、こうなります。

「これ、AIに任せられそうじゃない?」

AIは主役ではなく、

業務の延長線として登場します。

この順番が、決定的に違います。

実際にうまくいっている企業に共通する3つの特徴

tugiloの相談現場で、AIが自然に定着している会社には共通点があります。

  • 特徴1: 最初の打ち合わせで「どのAIがいいですか?」より先に、「どこで時間がかかっているか」「どこで判断に迷っているか」が出てくる。業務の言語化ができている。
  • 特徴2: 「AIで何ができるか」ではなく「この作業、誰がやっても同じ結果でいいよね?」のように、任せていい範囲の話から入る。主役は業務で、AIはその延長にある。
  • 特徴3: 小さく始めて「ここなら失敗しても困らない」と言える一業務を選んでいる。広げるのは、結果が見えてから。

当てはまるかどうか、自社の打ち合わせを振り返ってみてください。


tugiloが最初に必ず聞くこと

tugiloに相談が来たとき、

私たちは最初にAIの話をしません。

代わりに、こんな質問をします。

tugiloが最初に必ず聞くこと
  • 今日一番時間を取られた作業は何ですか?
  • それ、毎回同じ判断をしていませんか?
  • 失敗したら一番困るのはどこですか?

この質問に答えてもらうと、

多くの場合、AIを使うかどうかは自然に決まります。

重要なのは、

AIを入れることではなく、業務を整理することだからです。


相談の場で「こうなったら要注意」とtugiloが判断していること

tugiloに相談が来たとき、最初のやりとりで「ここは一度、業務の整理から入ったほうがいい」と判断することがあります。

  • 「とりあえずChatGPT入れてみました」だけで、やる業務が決まっていない場合 → まず業務の棚卸しから提案します。AIの話は、任せていい範囲が見えてから。
  • 「他社はどう使ってますか?」が最初に出て、自社の課題がまだ言語化されていない場合 → AIの話は後回しにして、課題の整理から入ります。
  • 「全部AIに任せたい」に近い希望が出た場合 → 人とAIの境界を一緒に整理する必要があると判断しています。任せていい仕事と、人がやる理由がある仕事を分けるところから始めます。

いずれも、AIを入れる前に業務の型を整えると、その後の定着がまったく違うためです。


AIは「仕事を代わる存在」ではない

ここでよくある誤解があります。

AIは、仕事を丸ごと代わってくれる存在ではありません。

少なくとも、現場ではそうはなりません。

AIが得意なのは、

  • 判断基準が決まっていること
  • 毎回似た構造の作業
  • 正解が一つに近いもの

逆に、

  • 責任の所在が曖昧な判断
  • 空気を読む必要がある調整
  • 最終決断

こうしたものは、人の仕事です。

だからこそ、

業務の切り分けができていない状態でAIを入れると事故になる。


「AIを使う前にやること」がある

AI導入がうまくいっている会社は、

実はAIを入れる前に、必ずやっていることがあります。

それは、

  • 業務を分解する
  • 判断ポイントを書き出す
  • 「人がやる理由」を確認する

これをやるだけで、

  • AIに任せていい仕事
  • 任せてはいけない仕事

が、かなりはっきりします。

AIは魔法ではありません。

業務の型があって、初めて力を発揮する道具です。


AIの話をやめると、導入は進み出す

不思議なことに、

AIの話をやめて業務の話を始めると、導入は一気に進みます。

  • 「じゃあ、まずここからやってみよう」
  • 「これなら失敗しても困らない」
  • 「結果が見えたら次を考えよう」

こうして、

小さく始まって、自然に広がる。

これが、長く使われるAI導入の形です。


まとめ:AI導入を成功させたいなら

AI導入を成功させたいなら、

まずAIの話をやめてください。

代わりに、

  • 今日一番面倒だった業務は何か
  • 本当は手放したい仕事はどれか
  • 人がやらなくてもいい仕事はどこか

そんな話を、社内でしてみてください。

AIは、その会話の先に自然と出てきます。


tugiloから一言

私たちは、

「AIを入れましょう」とは言いません。

「業務を一緒に整理しましょう」

そこから始めます。

そのほうが、

AIはちゃんと使われ、

ちゃんと成果につながるからです。


tugilo視点まとめ
  • うまくいっている会社は「AIの話」より「業務の話」から入っている。 最初に聞くべきは「今日一番時間を取られた作業」と「毎回同じ判断をしていないか」。
  • 「どのAIがいいか」より先に、「任せていい範囲」を決める。 判断基準が決まっている業務から小さく始めると、定着しやすい。
  • tugiloは「AIを入れましょう」とは言わない。 業務を一緒に整理するところから入り、その延長でAIの出番を決めている。

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AI導入の進め方や、業務の整理の仕方について、お気軽にご相談ください。

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次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

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