考え方

AIで「判断理由」を残す:属人化しないための"考えたログ"の作り方

AIを使って判断理由を記録し、属人化を防ぐ実践的な方法。tugiloの現場で実際に使っている「考えたログ」の作り方を解説します。

AIで「判断理由」を残す:属人化しないための"考えたログ"の作り方

業務が属人化する原因は、「作業が分からない」ことではありません。

多くの場合は 「なぜそう判断したのかが残っていない」 ことです。

tugiloでは、AIを「作業を代わる存在」ではなく "判断理由を残すための黒子" として使うことがあります。


よくある現場の悩み

中小企業や個人事業主の現場では、こんな悩みをよく耳にします。

  • 前任者しか分からない判断がある
  • マニュアルはあるが、イレギュラー対応が説明できない
  • 引き継ぎ時に「その時はそう判断した」としか言えない

問題はスキルではなく、思考が記録されていないことです。

作業手順は文書化されていても、「なぜその判断をしたのか」という理由が残っていないため、同じ状況に直面したときに再現できません。


tugiloが使うAIの使いどころ

やることはシンプルです。

  1. 判断が必要だった場面で
  2. 人が「なぜそうしたか」を箇条書きでAIに投げる
  3. AIにこう聞きます
この判断理由を、第三者が読んでも分かる形に整理してください。

ポイント:AIに判断させているのではなく、人の思考を整理させているだけです。


具体例:業務ルールを変えたとき

例えば、業務フローを変更したときのことを考えてみましょう。

人が考えたメモ(そのまま)

  • 以前のやり方だと確認が増えた
  • 現場から不満が出ていた
  • 月末処理が遅れていた

これだけだと、後から見返しても「なんで変えたんだっけ?」となりがちです。

AIで整理した後

## 業務ルール変更の理由

- 旧ルールでは確認工程が多く、現場負担が増加していた
- 現場から改善要望が複数上がっていた(2024年10月、11月に各2件)
- 月末処理の遅延が常態化していたため、ルールを変更した

これが 「判断ログ」 になります。


なぜこれが効くのか

1. 後から理由を説明できる

半年後、「なぜこのルールになっているのか」と聞かれたときに、すぐに答えられます。

「その時の担当者に聞かないと分からない」という状況が減ります。

2. 「なぜ変えたのか」が共有される

新しく入ったメンバーも、変更の背景を理解できます。

「前はどうだったのか」「なぜ今のやり方になったのか」が分かると、納得感が全く違います。

3. 次に改善するときの材料になる

判断ログが積み重なると、「この問題は過去にも同じ理由で起きていた」ということが見えてきます。

根本的な改善のヒントになります。


tugiloの判断基準

tugiloでは、このログが残らない改善は、やらない判断をすることもあります。

理由:後から検証できない変更は、失敗したときに学びが残らないから。


向いているケース/向いていないケース

向いている

✅ ルール変更が多い業務
✅ 属人化に悩んでいるチーム
✅ 少人数で回している会社
✅ 「なぜそうなったのか」が説明できない状況がある

向いていない

❌ その場限りの作業
❌ 判断理由を残す必要がない業務
❌ 完全にマニュアル化されている定型業務


実際の使い方(3ステップ)

ステップ1:判断が必要だった場面を書き出す

メモでもLINEの下書きでも何でもOKです。

例:
- お客様から納期短縮の要望があった
- 通常は2週間だが1週間でやってほしいと言われた
- 人手が足りないけど受けた

ステップ2:AIに整理してもらう

ChatGPTやClaudeに投げます。

この判断理由を、第三者が読んでも分かる形に整理してください。

ステップ3:整理されたログを保存する

社内のドキュメントツール(Notion、Google Docs、Slackなど)に保存します。

ポイント:完璧である必要はありません。 あとから検索できる場所に残っていればOKです。


tugilo視点まとめ

tugiloの考え方
  • AIは「判断を代わる」のではなく「判断を残す」ために使う
  • 思考が残れば、属人化は一段階下げられる
  • 迷ったら「この判断は説明できるか」で止まる

判断理由を残すことは、未来の自分やチームメンバーへの贈り物です。

AIは、その贈り物を「読みやすく整える」道具として使えます。


次のステップ

まずは、今週中に1つだけ試してみてください。

  • 業務で判断が必要だった場面
  • なぜそう決めたのかをメモする
  • AIに整理してもらう

これだけです。

完璧を目指さず、まずは1つ。それが積み重なると、チーム全体の知識になります。


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次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

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