考え方

他社のAI事例を「自社で再現できるか」で読む:成功事例の落とし込み方

AIの成功事例をそのまま真似してもうまくいかない理由。tugiloでは事例を入力・テンプレ・例外・品質ゲート・KPIの5要素に分解し、自社に落とし込む読み方を推奨しています。

他社のAI事例を「自社で再現できるか」で読む:成功事例の落とし込み方

この記事はどんな人向けか
  • 他社のAI成功事例を自社に落とし込みたい経営者・担当者
  • 「事例ではうまくいっているのに、うちでは…」と感じたことがある人
  • 事例のどこを借りて、どこを変えるかの判断軸が欲しい人

結論から言うと、事例は「真似する」のではなく「入力・例外・品質ゲート・KPIを自社用に設計し直す」ことで再現性が上がります。 以下では、tugiloが事例をどう分解して読んでいるかをまとめます。

「AIで3時間が30分になった」──そんな成功事例を見て、「うちでもできる?」と考える方は多いはずです。

でも、そのまま真似してうまくいくとは限りません。tugiloでは、事例を**「自社で再現できるか」という視点で読み、落とし込む**ことを推奨しています。


なぜ事例をそのまま真似してもうまくいかないのか

AIの成功事例には、魅力的な数字が並びます。

「議事録作成が1/10の時間に」「問い合わせ対応が半分に」「見積書作成が5分で完了」

それを見て「うちもやってみよう」となるのは自然です。しかし、そのまま導入しても、思ったようにいかないケースが少なくありません。

理由はシンプルです。事例の「前提」と自社の「前提」が違うからです。

  • 入力の形式は同じか?(フォーマット、情報量、例外の有無)
  • テンプレや品質ゲートは、自社の業務に当てはまるか?
  • 例外の扱いや責任分界は、事例と同様に決められるか?

これらを確認せずに進めると、「事例ではうまくいっているのに、うちでは…」となりがちです。


事例を「再現パターン」で分解する

tugiloでは、成功事例を入力・テンプレ・例外・品質ゲート・KPIの5要素に分解して読むことを推奨しています。

1. 入力

事例の業務では、どんな入力が来ているのか。

  • 形式は固定か、バラバラか
  • 情報量はどの程度か
  • 自社の入力とどれくらい似ているか

入力が違えば、同じテンプレでも結果は変わります。

2. テンプレ・プロンプト

事例で使っているプロンプトやテンプレートの「型」は何か。

  • どんな指示をしているか
  • どんな形式で出力させているか
  • 自社の業務にそのまま使えるか、調整が必要か

「型」を借りて、自社用に調整する考え方です。

3. 例外(任せない条件)

事例では、どんな例外を「AIに任せない」としているか。

  • 金額・個人情報・契約条件は除外しているか
  • エスカレーションの基準はあるか
  • 自社にも同様の例外があるか

例外の有無や扱いが違うと、再現性が大きく変わります。

4. 品質ゲート

事例では、AI出力のどこを人が確認しているか。

  • 事実・数字の確認を誰がしているか
  • 断定の見直しをしているか
  • 自社でも同様の品質ゲートを設けられるか

品質ゲートが曖昧な事例は、再現しにくい傾向があります。

5. KPI

事例では、何を「効果」として測っているか。

  • 時間削減か、手戻り削減か、その両方か
  • 測定方法は自社でも可能か

KPIの測り方が自社と合わないと、「効いたか」が判断できません。


自社で再現できるか、の判断基準

事例を5要素で分解したら、自社に当てはめられるかをチェックします。

再現できる事例の条件(tugilo流)
  • 入力:自社の入力と類似している(形式・情報量が近い)
  • テンプレ:調整すれば使える型がある
  • 例外:自社の例外も10個以内にまとめられる
  • 品質ゲート:自社でも同じ確認体制を取れる
  • KPI:自社でも測定できる

5つとも「近い」「できる」に近い事例は、自社での再現性が高いです。

逆に、2つ以上「違う」「難しい」がある事例は、参考程度にとどめ、まずは自社に近い事例から手をつける方がよいでしょう。

事例の読み方で避けたいこと
  • 数字だけを見て「うちも同じ効果が出る」と決めつける
  • 入力や例外の違いを無視して、テンプレだけコピーする
  • 品質ゲートやKPIを省略して導入する

借りるのは「型」、調整するのは「自社の前提」

他社事例の価値は、「型」を借りられることです。

プロンプトの構造、例外の考え方、品質ゲートの置きどころ──これらは事例から学べます。しかし、そのまま使うのではなく、自社の入力・例外・体制に合わせて調整する必要があります。

事例を「自社で再現できるか」で読む習慣をつけると、新しい事例に出会うたびに、「どこを借りて、どこを変えるか」が判断しやすくなります。

tugiloの考え方

事例は「真似する」のではなく「落とし込む」。入力・例外・品質ゲート・KPIを自社に合わせて設計し直すことが、再現性の本質。


tugilo視点まとめ
  • 事例は「5要素」で分解して読む。 入力・テンプレ・例外・品質ゲート・KPIが自社に近いかで、再現できるかが決まる。
  • 借りるのは「型」、調整するのは「自社の前提」。 数字だけ真似せず、入力・例外・体制に合わせて設計し直す。
  • tugiloは事例を「自社で再現できるか」で読む。 2つ以上「違う」「難しい」がある事例は参考程度にし、まず自社に近い事例から手をつける。

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他社事例の落とし込みや、自社向けの型設計について、お気軽にご相談ください。

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次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

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