経理の月次締めをAIで自動化:エクセル管理から脱却する手順
AIに集計を任せたら科目のズレが出て手直しした、というケースは珍しくありません。月次締めはルールが命なので、先に「どこまで任せるか」を決めないと逆に時間がかかります。
経理担当の方が毎月直面する「月次締め」は、集計ルールと例外を固めてからでないと、ツールを入れても定着しません。tugiloが現場で回している型を解説します。
- エクセルで管理していたが、データの整合性が取れない
- 手作業で集計していたが、ミスが多くて時間がかかる
- システムに移行したが、使い方が複雑で現場が使わない
原因は「データの流れ」と「例外処理」を先に決めていないことです。
月次締めの「入力→処理→出力」を分解する
tugiloが現場で使う分解方法です。まず業務を3つに分けます。
Step 1:入力の整理
- 経費データ(レシート、請求書、交通費)
- 売上データ(請求書、売上伝票)
- その他のデータ(給与、固定費)
例外: 未処理の経費、未回収の売上、特殊な取引
Step 2:処理(データの集計・分類)
- 科目別の集計(経費/売上/その他)
- 部門別の集計(営業部/開発部/管理部)
- 月次比較(前月比、前年同月比)
例外: 科目の振り分けが不明確、部門の分類が曖昧、特殊な取引
Step 3:出力(月次レポートの作成)
- 月次損益計算書の作成
- 月次バランスシートの作成
- 経営陣への報告資料の作成
例外: データの不整合、承認が必要な項目、追加の分析が必要
そのまま使える:月次締めプロンプトテンプレ
tugiloが実際に使っているプロンプトです。経費データと売上データを入力して、月次レポートを作成します。
以下のデータを基に、月次レポートを作成してください。
【経費データ】
- 科目: [科目名]
- 金額: [金額]
- 部門: [部門名]
- 摘要: [摘要]
【売上データ】
- 科目: [科目名]
- 金額: [金額]
- 部門: [部門名]
- 摘要: [摘要]
【前月データ】
- 経費合計: [金額]
- 売上合計: [金額]
【出力形式】
月次レポートを以下の形式で出力してください。
1. 月次損益計算書
- 売上高
- 売上原価
- 売上総利益
- 販売費及び一般管理費
- 営業利益
2. 月次比較
- 前月比(金額、率)
- 前年同月比(金額、率)
3. 部門別集計
- 営業部: [金額]
- 開発部: [金額]
- 管理部: [金額]
4. 経営陣への報告ポイント
- 重要な変動項目
- 要確認項目
- 次のアクション
【注意事項】
- データの不整合がある場合は、「要確認」フラグを付与
- 前月比で±20%以上の変動がある場合は、理由を説明する
- 未処理のデータがある場合は、別途リスト化する
```
以下の経費データを、科目別・部門別に分類してください。
【経費データ】
1. 交通費: 5,000円、営業部、出張費
2. 通信費: 10,000円、開発部、インターネット料金
3. 交際費: 20,000円、営業部、取引先との会食
4. その他: 15,000円、管理部、事務用品
【出力形式】
- 科目別集計
- 部門別集計
- 前月比(前月データがある場合)
- 要確認項目(分類が不明確なもの)
```
運用の型:3段階の確認ルール
AIで作成した月次レポートは、必ず3段階で確認します。これで「ミスを見逃す」リスクを最小化します。
第1段階:自動チェック
- データの整合性(合計が一致するか)
- 日付の妥当性(月次データが正しい期間か)
- 金額の妥当性(マイナス値がないか)
所要時間: 自動(0分)
第2段階:AI判定
- 前月比の変動の妥当性(±20%以内か)
- 科目の分類の妥当性(適切な科目に分類されているか)
- 部門の分類の妥当性(適切な部門に分類されているか)
所要時間: 5分/月
第3段階:人間の最終確認
- データの不整合(要確認フラグが付いたもの)
- 重要な変動項目(前月比±20%以上)
- 経営陣への報告ポイント
所要時間: 30分/月(全体の10%程度)
KPI:時間と手戻りを測る
tugiloが現場で測っている指標です。
月次締め時間: 8時間 → 2時間(75%削減)
手戻り率: 30% → 5%(83%削減)
データの整合性: 85% → 98%(13ポイント向上)
月次レポートの完成度: 70% → 95%(25ポイント向上)
失敗を避ける:3つのチェックポイント
症状: AIで集計したが、データの出所が不明確で確認に時間がかかる
対策: 最初に「データの流れ」を決める。どこからデータを取得し、どのように処理し、どこに出力するかを明確にする。
症状: 特殊な取引や未処理のデータが多く、結局手作業に戻る
対策: 最初に「例外処理のルール」を決める。特殊な取引は別途処理し、未処理のデータはリスト化する。
症状: AIで集計したが、会計システムへの登録が手作業
対策: 最初から「会計システムのインポート形式」に合わせる。出力形式を先に決める。
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まとめ
月次締めをAIで自動化するポイントは3つです。
- データの流れを先に決める: どこからデータを取得し、どのように処理し、どこに出力するかを明確に
- 例外処理のルールを決める: 特殊な取引や未処理のデータの扱いを明確に
- KPIで測る: 時間だけでなく、データの整合性も見る
「AIツールを入れる」だけでなく、運用の型を設計することが成功の鍵です。