実践

経理の経費精算をAIで効率化:レシート読み取りから承認まで

経理担当の方が毎月対応する「経費精算」。レシートの整理から承認まで、AIを活用して効率化する方法を、tugiloが現場で実践している型で解説します。

経理の経費精算をAIで効率化:レシート読み取りから承認まで

経理担当の方が毎月対応する「経費精算」。レシートの整理から承認まで、AIを活用して効率化する方法を、tugiloが現場で実践している型で解説します。

よくある失敗パターン
  • レシートを読み取ったが、金額や日付が間違っていて確認に時間がかかる
  • 科目の振り分けが適切でなくて、後で修正作業が発生
  • 承認フローが複雑で、処理に時間がかかる

原因は「科目の振り分けルール」と「承認基準」を先に決めていないことです。

経費精算の「入力→処理→出力」を分解する

tugiloが現場で使う分解方法です。まず業務を3つに分けます。

1
手順

Step 1:入力の整理

  • レシートの画像/PDFをOCRで読み取り
  • 金額、日付、店舗名、摘要を抽出
  • 例外: 手書きが読みにくい、複数レシート、特殊フォーマット

Step 2:処理(検証・分類・承認)

  • 金額の妥当性チェック(予算内か、前月比)
  • 科目の自動振り分け(経費/旅費/通信費/交際費)
  • 承認フローの判断(承認者、承認基準)

例外: 高額案件、新規科目、承認が必要なもの

Step 3:出力(精算の完了)

  • 経費精算システムへの登録
  • 承認フローへの送信
  • 支払い処理の実行

例外: システムエラー、承認者不在、支払いエラー

そのまま使える:経費精算プロンプトテンプレ

tugiloが実際に使っているプロンプトです。レシートの画像やPDFを読み込んで、経費精算データを作成します。

以下のレシートから、経費精算データを作成してください。

【レシート情報】
- 金額: [金額]
- 日付: [日付]
- 店舗名: [店舗名]
- 摘要: [摘要、50文字以内]

【従業員情報】
- 氏名: [氏名]
- 部署: [部署名]
- プロジェクト: [プロジェクト名、該当する場合]

【出力形式】
経費精算データを以下の形式で出力してください。

1. レシート情報の抽出
   - 金額: [金額]
   - 日付: [日付]
   - 店舗名: [店舗名]
   - 摘要: [摘要]

2. 科目の自動振り分け
   - 科目: [経費/旅費/通信費/交際費/その他]
   - 振り分け理由: [理由]

3. 承認フローの判断
   - 承認者: [承認者名]
   - 承認基準: [基準]
   - 承認要否: [要/不要]

【注意事項】
- 金額が10万円以上の場合、「要承認」フラグを付与
- 科目が不明確な場合は、「要確認」フラグを付与
- 日付が不明確な場合は、「要確認」フラグを付与
実践例:複数レシートの一括処理
```
以下のレシートリストから、各レシートの経費精算データを作成してください。

【レシートリスト】
1. レシート1: [金額、日付、店舗名、摘要]
2. レシート2: [金額、日付、店舗名、摘要]
3. レシート3: [金額、日付、店舗名、摘要]

【出力形式】
- 各レシートの情報抽出(金額、日付、店舗名、摘要)
- 各レシートの科目振り分け(科目、振り分け理由)
- 各レシートの承認フロー判断(承認者、承認基準、承認要否)
- 全体のサマリー(合計金額、科目別集計、承認要否の件数)
```

運用の型:3段階の確認ルール

OCRとAIで処理した経費精算データは、必ず3段階で確認します。これで「ミスを見逃す」リスクを最小化します。

第1段階:自動チェック

  • 金額が0円でないか
  • 日付が過去日付でないか
  • 店舗名が空欄でないか

所要時間: 自動(0分)

第2段階:AI判定

  • 金額の妥当性(予算内か、前月比)
  • 科目の振り分けの妥当性(適切な科目に振り分けられているか)
  • 承認フローの妥当性(承認者、承認基準が適切か)

所要時間: 2分/件

第3段階:人間の最終確認

  • 高額案件(10万円以上)
  • 新規科目や特殊な要件
  • 「要確認」フラグが付いたもの

所要時間: 5分/件(全体の15%程度)

実践的な科目振り分けルール

tugiloが実際に使っている科目振り分けルールです。これに従うことで、正確な分類が可能になります。

経費の分類

経費: 事務用品、消耗品、その他の経費

旅費: 交通費、宿泊費、出張費

通信費: 電話料金、インターネット料金、郵便料金

交際費: 取引先との会食、贈答品

その他: 上記に該当しない経費

科目の判定基準

店舗名で判定: コンビニ → 経費、ホテル → 旅費、レストラン → 交際費

金額で判定: 一定金額以上 → 交際費、一定金額未満 → 経費

摘要で判定: 摘要に含まれるキーワードで判定

承認フローの設計:ベストプラクティス

tugiloが実際に使っている承認フローの設計方法です。

1
手順

1. 承認基準の設定

  • 金額基準(10万円以上は要承認)
  • 科目基準(交際費は要承認)
  • 部署基準(管理部は要承認)

2. 承認者の設定

  • 部署マネージャー(10万円未満)
  • 経理部長(10万円以上50万円未満)
  • 経営陣(50万円以上)

3. 承認フローの実行

  • 経費精算システムに承認フローを設定
  • 承認者に通知を送信
  • 承認状況を管理

4. 承認後の処理

  • 承認後の支払い処理を実行
  • 承認データを記録
  • 承認履歴を管理

KPI:時間と精度を測る

tugiloが現場で測っている指標です。

経費精算処理時間: 2時間 → 30分(75%削減

科目振り分け精度: 75% → 95%(20ポイント向上

承認処理時間: 3日 → 1日(67%削減

手戻り率: 20% → 5%(75%削減

失敗を避ける:3つのチェックポイント

失敗パターン1:科目振り分けルールを後回しにする

症状: AIで振り分けたが、科目が適切でなくて後で修正作業が発生

対策: 最初に「科目振り分けルール」を決める。店舗名、金額、摘要で判定する基準を明確にする。

失敗パターン2:承認基準が曖昧

症状: 承認が必要な案件と不要な案件の判断が曖昧で、処理に時間がかかる

対策: 「承認基準を数値で定義する」とルール化する。金額、科目、部署で判定する基準を明確にする。

失敗パターン3:レシートの読み取り精度を軽視

症状: OCRで読み取ったが、金額や日付が間違っていて確認に時間がかかる

対策: 「レシートの読み取り精度を上げる」ことが重要。読み取り対象の領域を指定し、文字認識の言語を設定する。

実践的なレシート管理方法

tugiloが実際に使っているレシート管理方法です。

1
手順

1. レシートの収集(毎日)

  • レシートをすぐに撮影・保存
  • OCRで読み取りとデータ抽出
  • 人間が最終確認と修正を行う

2. 経費精算データの作成(週次)

  • 週末に1週間分のレシートをまとめて処理
  • 科目の振り分けと承認フローの判断
  • 経費精算システムに登録

3. 承認フローの実行(月次)

  • 月初に前月分の経費精算を承認
  • 承認者に通知を送信
  • 承認状況を管理

4. 支払い処理の実行(月次)

  • 承認後の支払い処理を実行
  • 支払いデータを記録
  • 支払い履歴を管理

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まとめ

経費精算をAIで効率化するポイントは3つです。

  1. 科目振り分けルールを先に決める: 店舗名、金額、摘要で判定する基準を明確に
  2. 承認基準を数値で定義する: 金額、科目、部署で判定する基準を明確に
  3. KPIで測る: 時間だけでなく、科目振り分け精度も見る

「AIツールを入れる」だけでなく、運用の型を設計することが成功の鍵です。

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次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

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