経理の財務分析をAIで支援:データ分析から経営判断まで
- 月次で数字をまとめるが、社長・役員が何を判断材料にしたいかが伝わっていない経理担当者
- 経理から上がってくるレポートの着眼点を変えたい社長・役員
- 「分析に時間がかかり、考える時間が取れない」と感じている現場責任者
財務分析で経営が本当に欲しいのは、「数字の整理」の先にある「どこを直すか・どこを伸ばすか」の判断材料です。結論から言うと、Excel集計に半日かかっていた時間を、数字の整理は約27分に圧縮し、残りを「経営が判断しやすい要点」の作成に回すと、意思決定が早くなります。 以下では、tugiloが現場で使っている型と、AIに任せない部分を明示します。
はじめに
経理の財務分析を「AIで効率化」と言うと、ChatGPT×財務の一般論に寄りがちです。
ここでは、社長・役員が読んでも「うちの判断が早くなる」と分かる切り口に絞ります。
Before と After を数値で固定すると、こうなります。
- Before:Excelでの集計・前年比の整理に半日(約4時間)かかり、経営への報告用の「要点」をまとめる時間がほとんど取れない。
- After:数字の整理は約27分、その分、「どこを直すか・どこを伸ばすか」を判断するための要点づくりに約2時間7分を回せる。
「何の判断が早くなるか」で言うと、
- 売上・経費の変動理由を「経営が聞く前に」一言で説明できるようになる
- 今月・今四半期で打つ手(削る経費・増やす投資)の候補を、レポートに載せてから議論できる
AIは「高度な分析」や「精度向上」を約束する存在ではなく、数字の整理と要点の下書きで時間を空ける道具、と割り切ると運用しやすいです。
財務分析で時間を食う3点
経理の財務分析で本当に時間を食うのは、次の3つです。
- 数字の集計・前年比・前月比の整理(Excel作業)
- 変動理由の言語化(なぜ増えた・減ったか、一言で)
- 経営が判断しやすい要点の作成(改善提案・リスク・次の一手の候補)
実際にtugiloに相談が来るケースでも、
「分析したが、経営判断にどうつなげればいいか分からない」という声が多いです。
AIが得意なのは、集計結果を入力として、変動理由の下書きと要点の骨子を出すところまで。最終的な「どの数字を経営に渡すか」「どう解釈するか」は人が決めます。
財務分析の「入力→処理→出力」を分解する
Step 1:入力の整理
- 財務データ(売上、経費、利益、その他)
- 過去の実績データ(前年同期、前月、その他)
- 市場動向(業界トレンド、競合情報、その他)
例外: 新規事業、特殊な取引、市場の急変
Step 2:処理(数字の整理+要点の下書き)
- データの整理(売上・経費・利益の前年比・前月比)
- 変動理由の下書き(なぜ増えた・減ったか、仮説レベル)
- 経営判断材料の骨子(改善提案、リスク要因、次のステップの候補)
例外: データの不整合、解釈が経営方針とずれる場合
Step 3:出力(経営が判断しやすい形)
- 財務分析レポート(要点3〜5行+数値)
- 経営陣への報告(「どこを直すか・伸ばすか」が一言で分かる形)
- 財務管理システムへの登録
例外: レポートの不備、報告の遅延、システムエラー
そのまま使える:財務分析プロンプトの型
経理が集計結果(売上・経費・利益・前年比・前月比)を渡し、変動理由の下書きと経営向け要点を出すテンプレです。
```
以下のデータを基に、経営向けの「変動理由の要点」と「判断材料(改善・リスク・次の一手)」を3〜5行で出力してください。
【財務データ】
- 売上: [金額、前年同期比、前月比]
- 経費: [金額、前年同期比、前月比]
- 利益: [金額、前年同期比、前月比]
【過去の実績】
- 前年同期・前月の主要数値: [要点のみ]
【出力形式】
1. 変動理由(なぜ増えた・減ったか、1行ずつ)
2. 経営が判断しやすい要点(改善候補・リスク・次の一手、各1〜2行)
3. 要確認フラグ(不整合・突出した変動があれば)
```
AIが苦手な部分:経理・経営がやる理由
AIは経営方針と今期の打ち手の優先度を理解できません。
- どの変動を「経営が必ず見る」とするか
- 改善提案のうち、どれを報告に載せるか
- 数値の解釈をどう経営に伝えるか
これらは経理が判断し、必要なら社長・役員の視点を聞いてから確定します。
Before / After を数値で固定する
tugiloの現場で測っている目安です。
数字の整理(集計・前年比): 半日(約4時間)→ 約27分
考える時間(要点・判断材料): ほとんど取れない → 約2時間7分を確保
経営への報告準備: 1日かかる → 同日中に要点まで完了
「精度向上」ではなく、**「経営が判断するまでの時間が短くなる」**ことをKPIにすると、AIの役割が明確になります。
失敗を避ける:分析の目的を先に決める
症状: 数字はまとめたが、経営が「で、何をすればいい?」と聞き返す
対策: 最初に「今月・今四半期で経営が決めたいこと」を1つ決める。その判断に必要な数字と要点だけに絞る。
症状: 「売上増加」「経費削減」だけで、理由が一言で伝わらない
対策: 「なぜ増えた・減ったか」を1行で書くルールにする。AIの下書きを人が一言に削る。
まとめ:財務分析で経営の判断を早くするには
財務分析で経営の判断を早くするには、
- 数字の整理はAIで時間を削り(Before:半日 → After:約27分)
- 空いた時間を「変動理由」と「判断材料」の要点づくりに回す
- 「何の判断が早くなるか」を具体的に決めてからAIに渡す
AIは「高度な分析」をしてくれる存在ではなく、数字の整理と要点の下書きで、経理と経営の時間を空ける道具です。
私たちは、
「AIで財務分析を高度に」とは言いません。
「数字の整理を短くして、経営が判断する時間を増やしましょう」
そこから始めます。
そのほうが、
報告が伝わり、
意思決定が早くなります。
- 経理の財務分析で軽くするのは「数字の整理」。 Before:半日 → After:約27分で、残りを「判断材料の要点」に回す。
- 「高度な分析」「精度向上」より「何の判断が早くなるか」を言い換える。 売上・経費の変動理由を一言で説明できるようにする。
- AIは経営方針と打ち手の優先度を理解できない。 どの数字を報告に載せるかは人が決める。
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