実践

営業の商談準備をAIで支援:顧客情報から提案資料まで自動化

営業担当の方が毎回の商談前に実施する「商談準備」。顧客情報の収集から提案資料の作成まで、AIを活用して効率化する方法を、tugiloが現場で実践している型で解説します。

営業の商談準備をAIで支援:顧客情報から提案資料まで自動化

AIで資料のたたき台を作らせたら顧客の課題とずれていた、という話がありました。商談準備は「その顧客の何を解くか」を人が決めてからでないと、AIは汎用の並びしか出しません。

営業担当の方が毎回の商談前に実施する「商談準備」は、論点と入れない情報を決めてから初めて、たたき台として使えます。tugiloが現場で回している型を解説します。

tugiloが最初に聞く「商談準備の5つの質問」
  • 誰が: 商談準備を担当しているか(営業担当者・営業マネージャー)
  • いつ: どのタイミングで商談準備を行うか(商談前日/商談当日/都度)
  • 何を: 商談準備に含まれる作業は何か(顧客情報/競合情報/提案資料)
  • 判断はどこ: 人の判断が必要なポイントはどこか(提案内容の決定/価格設定)
  • どこが痛い: 時間・品質・遅延・機会損失のどれが一番大きいか

商談準備の「入力→処理→出力」を分解する

tugiloが現場で使う分解方法です。まず業務を3つに分けます。

1
手順

Step 1:入力の整理

  • 顧客情報(会社名、業種、規模、課題)
  • 過去の商談履歴(商談日、商談内容、結果)
  • 競合情報(競合企業、競合の提案内容、差別化ポイント)

例外: 新規顧客、特殊な要件、機密情報を含む商談

Step 2:処理(商談準備の作成)

  • 顧客情報の分析(課題の明確化、ニーズの整理)
  • 競合情報の分析(競合との比較、差別化ポイント)
  • 提案資料の作成(提案内容、価格、納期)

例外: 顧客情報が不明確、競合情報が不明確、提案内容が不明確

Step 3:出力(商談準備の完了)

  • 商談準備資料の作成(顧客情報、競合情報、提案資料)
  • 商談のシミュレーション(想定質問、回答例)
  • 商談後のフォローアップ計画(次アクション、タイミング)

例外: 資料の不備、シミュレーションが不適切、フォローアップ計画が不明確

そのまま使える:商談準備プロンプトテンプレ

tugiloが実際に使っているプロンプトです。顧客情報と過去の商談履歴を入力して、商談準備資料を作成します。

以下の情報を基に、商談準備資料を作成してください。

【顧客情報】
- 会社名: [会社名]
- 業種: [業種]
- 規模: [従業員数、売上規模]
- 課題: [顧客の課題、3-5行]

【過去の商談履歴】
- 商談日: [日付]
- 商談内容: [商談の詳細、500文字以内]
- 結果: [成約/不成立、理由]

【競合情報】
- 競合企業: [競合企業名]
- 競合の提案内容: [提案内容、3-5行]
- 差別化ポイント: [差別化ポイント、3-5行]

【出力形式】
商談準備資料を以下の形式で出力してください。

1. 顧客情報の分析
   - 課題の明確化: [課題の詳細、3-5行]
   - ニーズの整理: [ニーズの整理、3-5行]
   - 商談の目的: [商談の目的、3-5行]

2. 競合情報の分析
   - 競合との比較: [比較表、3-5行]
   - 差別化ポイント: [差別化ポイント、3-5行]
   - 競合対策: [競合対策、3-5行]

3. 提案資料の作成
   - 提案内容: [提案内容、3-5行]
   - 価格: [金額、内訳]
   - 納期: [納期、スケジュール]

4. 商談のシミュレーション
   - 想定質問: [質問1、質問2、質問3]
   - 回答例: [回答例1、回答例2、回答例3]

5. 商談後のフォローアップ計画
   - 次アクション: [アクション1、アクション2、アクション3]
   - タイミング: [アクション1のタイミング、アクション2のタイミング]

【注意事項】
- 機密情報を含む場合は、「機密」フラグを付与
- 緊急案件の場合は、優先的に商談準備を行う
- 新規顧客の場合は、より詳細な情報収集を行う
実践例:複数商談の一括準備
```
以下の商談リストから、各商談の準備資料を作成してください。

【商談リスト】
1. 商談1: [顧客情報、過去の商談履歴、競合情報]
2. 商談2: [顧客情報、過去の商談履歴、競合情報]
3. 商談3: [顧客情報、過去の商談履歴、競合情報]

【出力形式】
- 各商談の顧客情報分析(課題、ニーズ、商談の目的)
- 各商談の競合情報分析(比較、差別化ポイント、競合対策)
- 各商談の提案資料(提案内容、価格、納期)
- 各商談のシミュレーション(想定質問、回答例)
- 各商談のフォローアップ計画(次アクション、タイミング)
- 全体のサマリー(商談準備の傾向、改善点、次のステップ)
```

運用の型:3段階の確認ルール

AIで作成した商談準備資料は、必ず3段階で確認します。これで「ミスを見逃す」リスクを最小化します。

第1段階:自動チェック

  • 顧客情報が空欄でないか
  • 商談日が過去日付でないか
  • 提案内容が空欄でないか

所要時間: 自動(0分)

第2段階:AI判定

  • 顧客情報の分析の妥当性(課題が適切に分析されているか)
  • 競合情報の分析の妥当性(差別化ポイントが適切か)
  • 提案資料の妥当性(提案内容が適切か)

所要時間: 5分/件

第3段階:人間の最終確認

  • 重要案件(成約可能性が高い、リスクが高い)
  • 機密情報を含む商談
  • 特殊な要件への対応

所要時間: 15分/件(全体の25%程度)

実践的な顧客情報分析の方法

tugiloが実際に使っている顧客情報分析の方法です。

1
手順

1. 課題の明確化

  • 顧客の課題を具体的に記述
  • 課題の原因を分析
  • 課題の影響を分析

2. ニーズの整理

  • 顧客のニーズを具体的に記述
  • ニーズの優先順位を決定
  • ニーズの実現可能性を評価

3. 商談の目的の明確化

  • 商談の目的を具体的に記述
  • 期待する成果を明確化
  • 次のステップを明確化

4. 提案内容の選定

  • 顧客ニーズに基づいて提案内容を選定
  • ソリューションのメリットを明確化
  • 実現方法を具体化

競合情報分析のベストプラクティス

tugiloが実際に使っている競合情報分析のベストプラクティスです。

競合との比較

価格: 競合の価格と比較

機能: 競合の機能と比較

サービス: 競合のサービスと比較

サポート: 競合のサポートと比較

差別化ポイント

技術的な優位性: 独自の技術、特許

サービスの優位性: 充実したサポート、迅速な対応

価格の優位性: 競合より安い価格、コストパフォーマンス

実績の優位性: 豊富な実績、信頼性

KPI:時間と成約率を測る

tugiloが現場で測っている指標です。

商談準備時間: 2時間 → 30分(75%削減

顧客情報分析時間: 1時間 → 15分(75%削減

成約率: 25% → 35%(40%向上

商談準備資料の品質: 平均3回修正 → 平均1回修正(67%削減

失敗を避ける:3つのチェックポイント

失敗パターン1:顧客情報の分析を軽視

症状: AIで作成した商談準備資料が、顧客情報に基づいていない内容だった

対策: 最初に「顧客情報の明確化」が重要。AIは顧客情報に基づいて商談準備資料を作成する。

失敗パターン2:競合情報の分析が不十分

症状: AIで作成した競合情報の分析が不十分で、差別化ポイントが不明確

対策: 「競合情報の分析を充実させる」とルール化する。競合との比較、差別化ポイントを具体的に記述する。

失敗パターン3:商談のシミュレーションを怠る

症状: 商談準備をしたが、想定質問への回答が準備できていない

対策: 「商談のシミュレーションを必ず行う」とルール化する。想定質問、回答例を準備する。

実践的な商談準備フロー

tugiloが実際に使っている商談準備フローです。

1
手順

1. 顧客情報の収集(商談前日)

  • 顧客情報を収集
  • AIで顧客情報を分析
  • 人間が最終確認と修正を行う

2. 競合情報の収集(商談前日)

  • 競合情報を収集
  • AIで競合情報を分析
  • 差別化ポイントを明確化

3. 提案資料の作成(商談前日)

  • 顧客ニーズを基に提案資料の下書きを作成
  • AIで提案内容を選定
  • 人間が最終確認と修正を行う

4. 商談のシミュレーション(商談前日)

  • 想定質問を準備
  • 回答例を準備
  • 商談の流れをシミュレーション

5. 商談後のフォローアップ(商談後)

  • 商談の結果を記録
  • 次アクションを設定
  • フォローアップを実施

関連記事

まとめ

商談準備をAIで効率化するポイントは3つです。

  1. 顧客情報を先に明確化する: 課題、ニーズ、商談の目的を具体的に記述
  2. 競合情報の分析を充実させる: 競合との比較、差別化ポイントを具体的に記述
  3. KPIで測る: 時間だけでなく、成約率も見る

「AIツールを入れる」だけでなく、運用の型を設計することが成功の鍵です。

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次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

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