依頼は増えた。でも整理できていない。
―― 個人事業主が最初に整えるべき「状態管理」
- 仕事が増えてきた個人事業主・フリーランス
- 依頼の抜け漏れが気になる方
- 頭の中で抱え込みがちな方
結論から言うと、抜け漏れは怠慢ではなく「状態が定義されていない」構造不足です。 「受付・進行中・完了」の3つを決めて外に出すだけで、頭の負担が減り抜け漏れが減ります。以下では、個人事業主が最初に整えるべき状態管理の型をまとめます。
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依頼の入口は増える。でも出口は定義されていない。
個人事業主の依頼チャネルはバラバラです。LINE、メール、電話、SNSのDM、直接会って口頭。全部"入口"です。仕事が増えるほど、入口は増えます。
でも、入口はあってもその先の通路が設計されていない。受けたあとどうしていますか。とりあえず返信する、メモ帳に書く、カレンダーに入れる、頭で覚えておく。そして忙しくなったときに、「あれ、あの件どうなってた?」となる。返信したつもりが忘れていた、カレンダーに入れたつもりが別の案件と混ざっていた、という経験はありませんか。
抜け漏れは、怠慢ではありません。構造不足です。出口(受付→進行中→完了のどこにいるか)が定義されていないから、迷子になるのです。
具体例:デザイナーAさんの1週間
たとえば、グラフィックデザイナーのAさん。月曜、クライアントXからメールでロゴの修正依頼。火曜、紹介で来た企業YからLINEでウェブデザインの打診。水曜、zoomの途中で「あとで見積送って」と口頭で依頼された案件Z。木曜、SNSのDMに「小冊子のデザイン相談したい」のメッセージ。
Aさんは「メモしてるから大丈夫」と思っていました。でも金曜の朝、「先週言ったあの件、進んでる?」と企業YからLINEが来て、はっとなる。どの案件か一瞬わからない。DMの小冊子案件は、返信し忘れていたことに気づく。カレンダーには企業Zの締切は入っているが、ロゴ修正のX案件の進捗は頭の中だけ。
問題は「メモしているか」ではなく、どの段階かが一覧で見えないことでした。
まずは「状態」を3つ決める
システムを入れる前にやることがあります。状態を定義する。
難しいことではありません。
- 受付(受け付けたがまだ着手していない)
- 進行中(いま作業している)
- 完了(納品・締切対応済み)
この3つで十分です。すべての依頼を必ずこのどれかに置く。たったこれだけで、抜け漏れが減る、今抱えている仕事が見える、頭の負担が減る。"見える化"というより、"外に出す"作業です。頭の中で「受付済み」「進行中」と分かっていても、一覧になっていなければ、忙しくなったときに抜ける。
具体例:3つの状態を入れただけで変わったこと
Aさんは、NotionでもExcelでもスプレッドシートでもいいと聞き、「受付・進行中・完了」の3列だけ作ってみました。カラムは「案件名」「依頼元」「受付日」「メモ」の4つ。余計な項目は増やさない方が続きます。
受付したら1行追加。着手したら「進行中」へドラッグ。納品したら「完了」へ。シンプルなルールだけ。
2週間後、「今、受付が5件、進行中が3件」と数字で分かるようになった。以前は「なんとなく忙しい」だったのに、「今週中に着手するのはこの2件」と優先順位がついた。「返信したはずのメールが気になる」が減った。一覧に載っていれば「受付済み」で、載っていなければ「まだ対応してない」と一目で分かるからです。
ツールは何でもいい。Notion、Trello、Excel、メモアプリ。大事なのは「受付・進行中・完了」の3つを決めて、毎日そこに目を通す習慣です。週に1回、金曜の夕方に「今週の完了」を振り返るだけでも、来週の予定が頭に入りやすくなります。
なぜ頭の中管理は疲れるのか
頭の中で管理するのは、一見効率的です。書く時間がいらない。ツールも不要。でも実は、常にバックグラウンドでCPUを使っています。「あれ忘れてないかな?」という小さな不安が、一日中走り続ける。これが疲れの正体です。メモを取っていても、「メモのどこかに書いたはず」と探す時間がかかる。一覧になっていれば、「受付」列を見れば済む。
状態を定義して、外に出す。それだけで、脳の負担はかなり減ります。判断を減らす。これが整理の本質です。
失敗パターン:状態が増えすぎて続かない
状態管理でよくある失敗は、「丁寧にしすぎる」ことです。最初から状態を増やすと、運用が回りません。
- 受付 → 見積中 → 提案中 → 承認待ち → 着手前 → 作業中 → 校正中 → 納品待ち → 完了 …
これを作ると、結局「どれに置くか」を毎回迷います。迷う仕組みは、続きません。まずは 3状態で回す。どうしても必要になったら、あとから増やす。この順番が現実的です。
やらないこと:ツール乗り換えで解決しない
抜け漏れが起きると、つい「もっと良いツール」を探したくなります。でも、ツールを変えても状態が定義されていなければ同じことが起きます。Notionでも、Trelloでも、Excelでも、まず決めるのは「受付・進行中・完了」の意味。\n\n人に頑張らせるのではなく、迷わない構造を作る。tugiloはこの順番で整えます。
AIより先にやること
最近よく聞かれます。「AIで問い合わせ管理できますか?」できます。でも、その前に確認することがあります。
- 状態は定義されていますか?(受付・進行中・完了の意味が決まっていますか?)
- 例外パターンは整理されていますか?(急ぎ、値引き、仕様変更など)
- どこまでが自動で、どこからが判断ですか?(AIが判断すべき範囲は?)
ここが曖昧だと、AIは"それっぽい整理"しかできません。AIは整理の代わりにはなりません。整理されたものを加速させる存在です。人間が整理していないものを、AIに整理させようとしても、精度は上がりません。
小さく整えるだけで、仕事は変わる
個人事業主は、大きなシステムは不要です。まずは依頼を一箇所に集める、状態を定義する、定期的に見直す。それだけで十分です。売上を伸ばす前に、流れを整える。そのほうが結果的に速い。
「一箇所に集める」と言うと、受信箱を1つにするイメージを持つ方がいます。でも、LINEもメールもSNSも使う以上、物理的に1つにすることは難しいです。大切なのは「集める」よりも「記録する場所を1つにする」こと。どこから来た依頼でも、受け付けたら必ずその一覧に1行追加する。
依頼が増えた今こそ、最初にやるべきことです。まずは3つの状態から、小さな一歩として始めてみてください。
まとめ:抜け漏れは「構造」で防ぐ
依頼が増えたことは喜ばしい変化です。その流れを整理して、余裕を持って仕事ができる状態を作ることが、次のステップにつながります。抜け漏れは能力の問題ではなく、状態が定義されていないだけ。受付・進行中・完了の3つを決めるだけで、変わります。
入口が増えても、出口が定義されていなければ抜け漏れは起こる。tugiloは「受付・進行中・完了」のような状態管理から、個人事業主の業務設計をお手伝いします。
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tugiloから一言
依頼の入口は増えても、出口が定義されていなければ抜け漏れは起こります。tugiloは「受付・進行中・完了」のような状態管理から、個人事業主の業務設計をお手伝いします。
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