実践

人事の研修企画をAIで効率化:ニーズ分析から実施計画まで

人事担当の方が毎年対応する「研修企画」。従業員のニーズ分析から実施計画まで、AIを活用して効率化する方法を、tugiloが現場で実践している型で解説します。

人事の研修企画をAIで効率化:ニーズ分析から実施計画まで

この記事はどんな人向けか
  • 毎年研修企画に時間を取られる人事担当者・部門マネージャー
  • 「AIで研修企画ができます」と言われても、どこから手を付ければいいか分からない担当者
  • 上司への説明資料づくりが重く、本質のニーズ分析に手が回らない現場責任者

人事研修の企画で一番時間を食うのは、現場ニーズの把握研修テーマの妥当性チェック上司への説明資料作成の3点です。結論から言うと、この3点を「人事が最初に考えるべき問い」に分解してからAIに投げると、企画資料づくりが一気に軽くなります。 以下では、tugiloが現場で使っている型と、AIに任せない部分を明示します。


はじめに

研修企画をAIで効率化できます、と言うと響きは良いですが、

どこから手を付ければいいか分からないまま「AIに聞く」だけでは、出てくるのは汎用的なカリキュラム案ばかりです。

人事研修の企画で本当に時間を食うのは、次の3つです。

  • 現場ニーズの把握(誰に何を届けるか、言語化されていないことが多い)
  • 研修テーマの妥当性チェック(ニーズと合っているか、上司が納得するか)
  • 上司への説明資料作成(企画書・実施計画の体裁を整える)

実際にtugiloに相談が来るケースでも、

「研修そのものより、企画資料づくりが重い」という声が多いです。

だから、AIの出番は「資料の下書き」であって、「何をやるか」の決定ではありません。


人事が最初に考えるべき問い(それをAIに投げる)

AIに「研修企画を出して」と丸投げするのではなく、

人事が先に答えを用意すべき問いを決めておきます。

  • 今年の研修で一番埋めたいギャップは何か(スキル・意識・手順のどれか)
  • 対象者は誰か(全員/特定部署/階層)
  • 上司が必ず聞くポイントは何か(予算・効果測定・他社事例など)

この3つが言語化できたら、それをAIに渡して「カリキュラム案」「説明用の要点」を出させます。

AIは主役ではなく、人事の判断の延長で使う形にすると、量産型の企画書にならず、現場に刺さる案になりやすいです。


研修企画の「入力→処理→出力」を分解する

tugiloが現場で使う分解方法です。まず業務を3つに分けます。

1
手順

Step 1:入力の整理

  • 従業員情報(部署、役職、スキル、課題)
  • 研修ニーズ(希望する研修内容、スキルアップの方向性)
  • 過去の研修実績(実施した研修、効果、課題)

例外: 新入社員、異動者、特殊なスキル要件

Step 2:処理(研修企画の作成)

  • ニーズの分析(従業員の課題、スキル不足、成長領域)
  • カリキュラムの作成(研修内容、時間、方法)
  • 実施計画の作成(日程、場所、講師、予算)

例外: ニーズが不明確、カリキュラムが不明確、実施計画が困難

Step 3:出力(研修企画の確定)

  • 研修企画書の作成(ニーズ分析、カリキュラム、実施計画)
  • 従業員への案内(研修内容、日程、申込方法)
  • 研修管理システムへの登録

例外: 企画の変更、実施の遅延、効果が低い


そのまま使える:研修企画プロンプトの型

人事が「今年のギャップ」「対象者」「上司が聞くポイント」を埋めたうえで、AIに投げるテンプレです。

人事が問いを決めたうえでAIに渡すテンプレ
```
以下の情報を基に、研修企画のカリキュラム案と説明用要点を作成してください。

【人事が決めた前提】
- 今年埋めたいギャップ: [スキル/意識/手順のどれか、具体的に1行]
- 対象者: [全員/特定部署/階層]
- 上司が必ず聞くポイント: [予算/効果測定/他社事例 など]

【従業員情報・ニーズ】(あれば)
- 部署・役職・課題: [3-5行]
- 過去の研修実績と課題: [3-5行]

【出力形式】
1. カリキュラム案(テーマ・時間・方法)
2. 上司説明用の要点(3つ以内)
3. 想定される質問と回答の骨子
```

AIが苦手な部分:人事がやる理由

AIは**「現場の空気」「予算・人事方針の制約」**を理解できません。

  • どの部署が本当に困っているか
  • 今年度の人事方針と研修の優先度
  • 上司の「ここは外せない」というポイント

これらは人事が決め、その結果をAIへの入力として渡す必要があります。


運用の型:3段階の確認ルール

AIで作成した研修企画案は、必ず3段階で確認します。

第1段階:自動チェック

  • 従業員情報が空欄でないか
  • 研修ニーズが空欄でないか
  • 実施計画が空欄でないか

所要時間: 自動(0分)

第2段階:AI判定

  • ニーズの分析の妥当性(課題が適切に分析されているか)
  • カリキュラムの妥当性(研修内容が適切か)
  • 実施計画の妥当性(日程、場所、講師、予算が適切か)

所要時間: 約8分/件

第3段階:人間の最終確認

  • 研修内容の最終決定(カリキュラムの確認)
  • 予算配分の決定(予算の確認)
  • 特殊な要件への対応

所要時間: 約18分/件(全体の30%程度)


まとめ:研修企画を効率化したいなら

研修企画で効率化したいなら、

まず「人事が最初に考えるべき問い」を3つに絞ってください。

  • 今年埋めたいギャップは何か
  • 対象者は誰か
  • 上司が必ず聞くポイントは何か

そのうえでAIにカリキュラム案と説明用要点を出させると、

企画資料づくりが軽くなり、本質のニーズ分析に時間を回せます。


tugiloから一言

私たちは、

「AIで研修企画を出しましょう」とは言いません。

「企画で一番重い3点を、人事の問いに分解しましょう」

そこから始めます。

そのほうが、

出てきた案が現場に刺さり、

上司への説明も楽になります。


tugilo視点まとめ
  • 研修企画で時間を食うのは、ニーズ把握・妥当性チェック・説明資料の3点。 実際の相談でも「研修より企画資料が重い」という声が多い。
  • 「AIに聞く」のではなく「人事が問いを決める→それをAIに投げる」順番にする。 任せていい範囲(カリキュラム案・要点)と人が決める範囲(対象・方針)を分ける。
  • AIは現場の空気と予算・方針の制約を理解できない。 そこは人事が入力として渡すと、量産型にならない。

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研修企画の「問いの分解」や、AIに任せていい範囲の整理について、お気軽にご相談ください。

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次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

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