この記事はどんな人向けか
  • 見積の電話の前に、顔のついた声を試したくなっている一人会社・少人数の社長
  • 「顔が出るなら、お客も安心する」と感じ始めた人
  • 話しながら向こうが進む話の次に、見た目まで預けるか迷っている人

火曜の朝、見積を開いたまま、顔のデモを見ています。口が動く。表情も付く。客先の名前は、まだ電話の前にあります。その画面を、今日の電話に使いたくなります。

相談に来る社長は、そこで言います。「顔が出るなら、声だけよりいいですよね」。相手も、人と話している気がする、と。

私も使いたくなります。顔があると、説明は楽に見えます。ただ、お客が見ている顔と、あなたの会社の誰かは、同じではありません。だから聞くのは、お客は誰と話していると思うか、です。

顔がついた声

9月24日、Googleは Gemini 3.8 Live に Live Avatar を足しています。話しながら、ほぼその場で映像が付く、と公式は書いています。口の動きと表情が揃う、とも書いてあります。使えるのは Gemini Enterprise、です。個人の画面に、同じ入口があるとは限りません。

先週の火曜は、話し終わる前に向こうが進み始める、という話をしました(話し終わる前に、向こうが進み始めた)。今日聞くのは、進み方の次です。進みながら、顔まで出してよいか。出してよい顔が、あなたの顔なのか、用意したキャラクターなのか。

公式は、ホテルのチェックインのように、後ろで道具を動かしながら話し続ける、と見せています。話し続けることと、見積の電話にその顔を出してよいかは違います。デモの滑らかさと、お客が誰だと思っていることは、同じではありません。

言語は97、途中で切り替わっても口の動きが付く、とも公式は書いています。切り替わることと、この客の言葉で、この顔を出してよいかは違います。言葉が楽になった顔を、許可だとは読みません。

用意された顔のほかに、写真から顔を作る案内もあります。いまは Enterprise の許可が要る、と公式は書いています。許可があることと、その顔をお客に出してよいかは、まだ別です。許可は、作ってよい、です。出してよいかは、人が先に言います。

映像と声には、SynthID という透かしが入る、と公式は書いています。透かしがあることと、お客が「社長本人だ」と思わないことは、同じではありません。透かしは、機械が見分ける印です。お客の安心材料に、そのままは使えません。

お客は誰と話しているか

一人会社だと、電話に出るのも自分です。「自分の顔に似せておけばいい」と言いたくなります。似せた顔は、あなたの代わりにはなりません。お客が社長だと思って話しているのに、金額の言い方が途中で変わると、戻す人も自分です。戻す人が自分だと、火曜の午前は、言い訳の作業になります。

見積の数字を口で直していた社長がいました。顔のデモを開いたまま、「税抜きで」と言いかけて、次の文を探しているあいだに、向こうが相づちを打ちました。相づちの顔は、社長に似ていました。お客が同じ画面を見ていたら、税抜き、が決まった顔に見えます。決まった顔は、まだ途中です。途中の顔を、電話には出しませんでした。出さなかった理由は、顔が悪かったことではありません。お客が誰と話しているか、を先に言っていなかったことです。

「顔が出るから、機械だとは思われない」とも聞きます。思われない、は、あなたの予想です。お客の予想ではありません。お客が社長だと思っているのに、後ろで道具が動くと、火曜の夜に残るのは、誰が決めたか、です。誰が決めたかが空だと、顔は便利な仮面です。仮面のまま数字が動くと、説明は長くなります。

契約があるから全部出していい、という人もいます。契約があることと、この客にこの顔を出してよいかは違います。契約の範囲が広いほど、出せる顔は増えやすいです。増えた顔を、許可だとは読みません。

別の社長は、初回の案内だけ顔を出して、金額の話は自分の声に戻そうとしていました。戻すタイミングを書いていなかったので、案内の途中で金額の話になり、顔が残ったまま数字が出ました。数字を出したのはモデルではありません。顔を出してよい範囲を、先に言っていなかった自分です。次の火曜は、顔は挨拶まで、と机に書いてからデモを開いています。

「似ている方が親切だ」と言う人もいます。親切の相手が、お客の安心なのか、自分の説明の楽さなのか。楽さのための似た顔は、お客の誤解を先に作ります。誤解を先に作った火曜は、午後に電話で訂正します。訂正の電話を、顔が上手になった証拠にはしません。

顔を出さない選択も、仕事です。出さない、と書いてあると、声だけの火曜は説明が短くなります。書いてない出さないは、まだ迷っています。迷ったままデモを開くと、見積の電話の前に、顔の設定が始まります。設定が始まった火曜は、電話が後ろへ行きます。

Enterprise の外まで便利にしない

公式の入口は、Gemini Enterprise です。あなたの会社の契約に、同じ名前があるとは限りません。名前があることと、見積の電話に出してよいかは、まだ別です。

試せるデモと、客の前の顔は、公式でも分かれています。試せる範囲を、今日の電話に写さない方がいいです。写すなら、この客が誰と話していると思うか、です。思うか、が空だと、試した記録だけが残ります。

カスタムの顔は、許可された会社から、と公式は書いています。許可待ちの顔を、今週の提案に載せない方がいいです。載せると、相手の画面にも同じ顔がある、と読まれます。相手の画面は、あなたの契約ではありません。

透かしがあるから説明しなくていい、という人もいます。透かしは、機械向けです。お客向けの一行は、人が書きます。「これは用意した顔です」でもいい。「金額は私が言います」でもいい。書けないなら、顔はまだデモです。デモのまま電話に出ると、火曜に残るのは、きれいな途中です。きれいな途中は、客には出せません。

先週、顔のデモを社内の朝会で流した社長がいました。朝会のあとに、得意先から「新しい担当ですか」とメールが来ました。担当ではなかった。流した映像が、外の人の目に入っていました。消したのはモデルではありません。誰の前で顔を出してよいか、を先に書いていなかった自分です。次の火曜は、社内だけ、と先に書いてからデモを開いています。

見積の電話の前に書く一行

長い手順書は要りません。

この客は、誰と話していると思うか、先に書く。

「挨拶だけ顔、金額は自分」でもいい。「今日は顔を出さない」でもいい。書けないなら、顔は便利な下書きです。下書きのまま電話に出ると、火曜に残るのは下書きではありません。相手の記憶です。

話し終わる前に進めてよいか、は、先週の一行のまま置いておけます。今日足すのは、顔の名前です。顔の名前が無い声は、進み方の前に、相手の想像を先に作ります。作られた想像は、手伝いではありません。先走った自己紹介です。

書けたら、今日見える場所へ置きます。置かない一行は、決心のつもりです。決心は、滑らかな顔に負けます。滑らかな顔ほど、誰の顔か、が要ります。誰の顔かが無いと、便利さが先に自己紹介を決めます。

もう一人、顔は使わず、声だけにした社長もいました。使わなかった理由は、技術が足りないことではありません。お客が社長だと思ってしまう顔を、今日は出せなかったことです。出せない日を、遅れにはしません。遅れにするのは、名前の無い顔を電話に出して、午後に訂正することです。

「あとで見れば分かる」も、顔の名前が無いと同じです。あとで見る相手が、お客なのか、自分の録音なのか、社内の誰なのか。名前が無いあとは、顔を出した、の別名です。別名のまま火曜を始めると、金曜に説明できるのは、デモを見たことだけです。

見積の件名を顔で読み上げようとした社長がいました。件名の言い方が決まらないまま、顔が先に「ご確認ください」と言いました。確認の顔は、社長に似ていました。お客が同じ画面を見ていたら、件名が決まった顔に見えます。止めたのはモデルではありません。件名を言い終わるまで顔を出さない、と先に書いていなかった自分です。次からは、件名が揃ってから顔、と机に書いています。

公式の速さや言語の数は、公式の主張です。あなたの見積電話が半分の時間で終わる、とは書いてありません。書いてあるのは、話しながら顔が付く、という範囲です。範囲の外まで、安心として受け取らない方がいいです。

別の社長は、英語の客に同じ顔を出そうとして、途中で日本語に戻っていました。公式は言語が切り替わっても口が付く、と書いています。口が付くことと、その客にどちらの言葉で、どの顔を出してよいかは違います。切り替わった顔を、国際対応の証明にはしません。証明にするなら、この客の言葉と、この顔の名前です。

「顔があると、留守電の代わりになる」と言う人もいます。代わりになる相手が、受付なのか、見積の判断なのか。判断の代わりに顔を置くと、火曜の夜に残るのは、誰が決めたか、です。誰が決めたかが空の顔は、留守電ではありません。決めてしまった顔です。

もう一人、顔の名前を「案内用のキャラクター」と書いてから電話した社長がいました。書いた一行が、金額の話に入る前に顔を切る合図になりました。切れた理由は、顔が下手だったことではありません。お客が誰と話しているか、を先に一つにしたことです。

顔がついた声を、お客が誰だと思うかから分けます。