「全部自分で分かっている」の次にやること。属人化解除のステップ
- 「全部自分で分かっている」がリスクだと感じているが、何から手を付ければいいか分からない方
- 属人化を解消したいが、いきなり全部をマニュアル化するのは現実的でないと感じている方
- 小さく始められる「最初の一歩」が欲しい方
「この業務、全部自分で分かっているから大丈夫」。そう言える状態は、本人にとっては安心かもしれません。でも、その人がいないとき、誰がどう回すかが分からなければ、会社にとってはリスクです。「全部自分で分かっている」が一番危ないで書いたように、属人化は「分かっている人」がいなくなったときに初めて問題が表面化することが多い。
では、「全部自分で分かっている」の次に、何をすればいいか。いきなり全部をマニュアル化する必要はありません。まず、誰が困るかとどこから書き出すかを決めるステップから始めます。
ステップ1:「誰が困るか」を決める
属人化解除といっても、全員が全業務を共有する必要はありません。まず「その人がいないとき、誰が困るか」を特定します。
- その業務の次の担当候補は誰か
- 代替が効かないと感じているのは、どの業務のどの部分か
- 引き継ぎでいつも詰まるところはどこか
「誰が困るか」が分かると、誰向けに、何を書き出すかが決まります。全社向けの完璧なマニュアルより、「この人に渡すためのメモ」からで十分です。
ステップ2:「一つだけ」書き出す
全部を一度に明文化しようとすると、負荷が大きくて続きません。まず一つだけ、業務の塊を選んで書き出すことから始めます。
選ぶときの目安は次のとおりです。
- 代替が効いていないと感じている業務のうち、発生頻度が高いもの
- 引き継ぎのときに毎回説明している部分
- 判断の基準が「なんとなく」になっているところ
一つ選んだら、「いつ・何を・どう判断するか」が分かるレベルでメモにします。完璧な文章である必要はありません。「自分が忘れないため」「次の人が読んで分かるため」のメモでよいです。ドキュメントは全部Markdownでいい理由で触れたように、形式より中身が残ること・更新しやすいことが大事です。
ステップ3:読んでもらって、詰まったところを直す
書き出したら、「困る側」の人に読んでもらうのが次のステップです。
- 読んで、分からないところ・足りないところを教えてもらう
- その部分を追記・修正する
- 必要なら、口頭で補足した内容をメモに足す
一人で完璧を目指さず、読む人と一緒に直すことで、実務に使える内容になっていきます。これを一つずつ増やしていくと、属人化が少しずつ解除されていきます。
ステップ4:担当と更新ルールを決める
メモやドキュメントが増えてきたら、誰が更新するか・いつ見直すかを決めます。
- その業務の主担当が、そのメモの更新も担当する
- 業務のやり方が変わったときや一定期間ごとに見直す
- 担当がいなくなるときは、引き継ぎの一部としてメモも渡す
更新ルールがないと、時間が経つほど内容が古くなり、誰も見なくなる。属人化解除は「書き出して終わり」ではなく、更新し続ける仕組みまで含めて考えます。
まとめ
- 属人化解除は、「誰が困るか」を決めることから始める。
- いきなり全部ではなく、一つだけ業務を選んで書き出す。
- 書いたら読んでもらい、詰まったところを直す。完璧より、実務で使えることが大事。
- 誰が更新するか・いつ見直すかを決めて、メモを育てる。
「全部自分で分かっている」の次は、誰向けに、何を一つ書き出すかを決めることから始めてみてください。
属人化解除の進め方や、どこから書き出せばいいか一緒に整理したい方は、お気軽にご相談ください。