Excel台帳は、列を増やす前に「状態」を三つに分ける
- 事務のExcel台帳に列が増えすぎて、どこを見ればいいか分からない人
- 台帳はあるのに、未対応や確認待ちが埋もれてしまう職場の人
- 新しいシステムを入れる前に、今の台帳を少し使いやすくしたい人
事務作業では、Excel台帳がよく使われます。
問い合わせ管理。 備品管理。 請求書管理。 契約更新管理。 入退社手続き。 名簿。 発送リスト。
台帳があること自体は悪くありません。
むしろ、現場ではExcelが一番早く始められることも多いです。
ただ、台帳は少しずつ重くなります。
最初は数列だったものが、必要に応じて列が増える。
担当者。 期限。 備考。 確認日。 対応内容。 分類。 優先度。 メモ。 補足。
気づくと、横に長い表になります。
そして、どこを見ればいいのか分からなくなる。
台帳はあるのに、未対応が埋もれる。 確認待ちが分からない。 完了したものと、まだ残っているものが混ざる。
この状態でさらに列を増やすと、台帳はもっと重くなります。
最初に見直すべきは、列の数ではありません。
状態です。
未対応。 確認中。 完了。
まずこの三つに分けるだけで、台帳はかなり見やすくなります。
台帳が重いのは、情報が足りないからではないことがある
Excel台帳が使いにくいとき、多くの人は「項目が足りない」と考えます。
だから列を足します。
確認者列を足す。 日付列を足す。 備考列を足す。 分類列を足す。
もちろん、必要な列はあります。
でも、列を足しても使いやすくならないことがあります。
なぜなら、台帳を見る人が本当に知りたいのは、
「次に何をすればいいか」
だからです。
たとえば、問い合わせ台帳に次の情報が入っているとします。
名前。 会社名。 問い合わせ内容。 受付日。 担当者。 備考。
情報はあります。
でも、その問い合わせが未対応なのか、返信済みなのか、確認待ちなのかが分からないと、次の行動は見えません。
結局、一行ずつ読んで判断することになります。
これでは、台帳を見るたびに確認作業が発生します。
台帳は、情報を保存する場所であると同時に、次の動きを見る場所でもあります。
だから、状態が必要です。
状態があると、台帳を見た瞬間に分かります。
「未対応だけ見ればいい」 「確認中は誰かの返事待ち」 「完了は触らなくていい」
これだけで、かなり楽になります。
最初の状態は三つでいい
状態を作るとき、最初から細かくしすぎないことが大切です。
たとえば、
- 受付済み
- 担当確認中
- 顧客確認中
- 社内確認中
- 返信準備中
- 返信済み
- 保留
- 完了
このように分けたくなることがあります。
でも、最初から細かい状態を作ると、どれを選べばいいか迷います。
入力する人によって選び方が変わります。
「これは確認中なのか保留なのか」 「返信済みだけど完了ではないのか」 「担当確認中と社内確認中は何が違うのか」
こうなると、状態を付けること自体が仕事になります。
最初は三つで十分です。
- 未対応
- 確認中
- 完了
未対応は、まだ誰も手を付けていないもの。 確認中は、誰かの返事や判断を待っているもの。 完了は、もう次の作業がないもの。
この三つなら、ほとんどの人が分かります。
大事なのは、細かく正確に分類することではありません。
次に見るべきものを減らすことです。
未対応と確認中だけ見ればいい。 完了は見なくていい。
この状態が作れるだけで、台帳はかなり軽くなります。
「確認中」には、待っている相手を一言入れる
三つの状態の中で、一番大事なのは「確認中」です。
なぜなら、確認中は放置されやすいからです。
未対応は、まだやっていないと分かります。 完了は、もう終わっています。
でも確認中は、誰かを待っている状態です。
ここが曖昧だと、台帳の中で止まり続けます。
だから、確認中にしたときは、備考に一言だけ入れます。
「田中さん確認待ち」 「お客様返信待ち」 「金額確認中」 「納期確認中」 「資料待ち」
これだけで十分です。
長い説明はいりません。
誰を待っているのか。 何を待っているのか。
それが分かれば、次の動きが見えます。
たとえば、問い合わせ台帳で「確認中」とだけ書いてあると、何をすればいいか分かりません。
でも、
「確認中 / 山本さん回答待ち」
とあれば、山本さんに聞けばいいと分かります。
「確認中 / 顧客へ納期確認中」
とあれば、お客様からの返事待ちだと分かります。
確認中を見える状態にするだけで、事務の停滞はかなり減ります。
色分けより先に、フィルタで見られる形にする
Excel台帳を見やすくするために、色分けをすることがあります。
未対応は赤。 確認中は黄色。 完了はグレー。
これは分かりやすいです。
ただ、色だけに頼ると、あとで扱いにくくなることがあります。
フィルタできない。 並べ替えにくい。 人によって色の付け方が違う。 コピーしたときに崩れる。
だから、まず状態列を作ります。
状態列に、
「未対応」 「確認中」 「完了」
と文字で入れる。
そのうえで、必要なら色を付けます。
文字で状態が入っていれば、フィルタできます。
未対応だけ表示する。 確認中だけ表示する。 完了を隠す。
これだけで、今日見るべき行が減ります。
台帳が使いにくい理由の一つは、全部が同じ重さで並んでいることです。
状態でフィルタできるようにすると、今日見るものだけを出せます。
それだけで、確認作業はかなり簡単になります。
AIに頼むなら、状態候補を出してもらう
AIを使うなら、台帳全体をいきなり自動化しなくても構いません。
まずは、状態候補を出してもらう使い方があります。
たとえば、問い合わせ内容や備考をAIに見せて、
「この行は未対応・確認中・完了のどれに近いか候補を出してください」
と頼みます。
AIの答えをそのまま採用する必要はありません。
人が見て、違うと思えば直します。
でも、何十行もある台帳で、まず候補が出るだけでも楽になります。
特に、備考に「返信済み」「確認待ち」「対応済み」などの言葉が入っている場合、AIは整理の補助になります。
ただし、AIに状態を確定させる前に、三つの状態の意味を決めておく必要があります。
未対応とは何か。 確認中とは何か。 完了とは何か。
この定義がないと、AIも人も迷います。
AI活用の前に、状態を三つにする。
この順番が大切です。
今日やるなら、台帳に「状態」列を一つ足す
今日からできることは、台帳に新しい列を一つ足すことです。
列名は「状態」。
入れる値は三つだけです。
- 未対応
- 確認中
- 完了
まずは、今ある台帳の上から十行だけで構いません。
全部やろうとしない。
十行だけ見て、それぞれに状態を入れてみます。
すると、分かることがあります。
未対応が思ったより多い。 確認中の理由が書かれていない。 完了しているのに残っている行が多い。
この気づきが、次の改善につながります。
Excel台帳は、列を増やせば便利になるとは限りません。
でも、状態が一つ見えるだけで、次の動きは見えやすくなります。
未対応を見る。 確認中の相手を確認する。 完了を隠す。
事務作業は、それだけで少し軽くなります。
状態列を足したら、次にやることは「毎朝一分だけ見る」です。
長い会議はいりません。 台帳を開いて、未対応と確認中だけに絞ります。
未対応があれば、今日やるものを一つ決める。 確認中があれば、誰を待っているかを見る。 完了が多ければ、表示から外す。
これだけで、台帳は保存場所ではなく、今日の動きを決める場所になります。
もし確認中が多すぎるなら、台帳の問題ではなく、確認の流れが詰まっています。
誰か一人に確認が集中しているのか。 お客様からの返事待ちが多いのか。 社内で判断する人が決まっていないのか。
状態を三つに分けると、こうした詰まりも見えます。
Excelをやめるかどうかは、そのあとで考えればいい。
まずは今ある台帳で、今日見る行を減らす。
その小さな変化が、事務の確認作業をかなり楽にします。
見る量が減ると、判断も軽くなります。
Excel台帳が増え続けて見づらくなっている場合は、まず状態設計から整理できます。今ある台帳を活かしながら、現場が次に動きやすい形へ整えます。