実践

経理の予算管理をAIで最適化:予算策定から実績分析まで

経理担当の方が毎年対応する「予算管理」。予算策定から実績分析まで、AIを活用して効率化する方法を、tugiloが現場で実践している型で解説します。

経理の予算管理をAIで最適化:予算策定から実績分析まで

AIに分析を任せたら前提が違っていて使えなかった、という声を聞きました。予算・実績は前提の取り方で結論が変わるので、どこまでAIに任せるかを決めないと危険です。

経理担当の方が毎年対応する「予算管理」は、見る指標と前提を決めてからでないと、AIを入れても判断に使えません。tugiloが現場で使っている型をまとめます。

よくある失敗パターン
  • 予算を策定したが、実績との乖離が大きくて修正作業が多い
  • 実績分析に時間がかかり、経営判断に間に合わない
  • 予算と実績の比較が手作業で、ミスが発生しやすい

原因は「予算策定の基準」と「実績分析の方法」を先に決めていないことです。

予算管理の「入力→処理→出力」を分解する

tugiloが現場で使う分解方法です。まず業務を3つに分けます。

1
手順

Step 1:入力の整理

  • 過去の実績データ(売上、経費、その他)
  • 経営計画(売上目標、経費目標、その他)
  • 市場動向(業界トレンド、競合情報、その他)

例外: 新規事業、特殊な要件、市場の急変

Step 2:処理(予算の策定・分析)

  • 予算の策定(売上予算、経費予算、その他)
  • 実績の分析(売上実績、経費実績、その他)
  • 予算と実績の比較(乖離の分析、原因の特定)

例外: 予算と実績の乖離が大きい、原因が不明確、特殊な要件

Step 3:出力(予算管理の完了)

  • 予算書の作成(予算、実績、差異)
  • 経営陣への報告(予算達成状況、改善提案)
  • 予算管理システムへの登録

例外: システムエラー、データの不整合、承認が必要

そのまま使える:予算管理プロンプトテンプレ

tugiloが実際に使っているプロンプトです。過去の実績データと経営計画を入力して、予算を策定します。

以下の情報を基に、予算を策定してください。

【過去の実績データ】
- 売上実績: [金額、前年比]
- 経費実績: [金額、前年比]
- その他: [その他の実績データ]

【経営計画】
- 売上目標: [金額、前年比]
- 経費目標: [金額、前年比]
- その他: [その他の目標]

【市場動向】
- 業界トレンド: [トレンドの説明、3-5行]
- 競合情報: [競合の動向、3-5行]

【出力形式】
予算を以下の形式で出力してください。

1. 予算の策定
   - 売上予算: [金額、前年比、根拠]
   - 経費予算: [金額、前年比、根拠]
   - その他: [その他の予算、根拠]

2. 実績の分析
   - 売上実績: [金額、前年比、分析]
   - 経費実績: [金額、前年比、分析]
   - その他: [その他の実績、分析]

3. 予算と実績の比較
   - 売上差異: [差異額、差異率、原因]
   - 経費差異: [差異額、差異率、原因]
   - その他: [その他の差異、原因]

4. 改善提案
   - 予算達成のための施策: [施策1、施策2、施策3]
   - 実績改善のための施策: [施策1、施策2、施策3]

【注意事項】
- 予算と実績の乖離が±20%以上の場合、「要確認」フラグを付与
- 市場動向を考慮して予算を策定する
- 実績分析は具体的に記述する
実践例:部門別予算の一括策定
```
以下の部門リストから、各部門の予算を策定してください。

【部門リスト】
1. 営業部: [過去の実績データ、経営計画、市場動向]
2. 開発部: [過去の実績データ、経営計画、市場動向]
3. 管理部: [過去の実績データ、経営計画、市場動向]

【出力形式】
- 各部門の予算策定(売上予算、経費予算、その他)
- 各部門の実績分析(売上実績、経費実績、その他)
- 各部門の予算と実績の比較(差異、原因)
- 各部門の改善提案(予算達成のための施策、実績改善のための施策)
- 全体のサマリー(予算の傾向、改善点、次のステップ)
```

運用の型:3段階の確認ルール

AIで策定した予算は、必ず3段階で確認します。これで「ミスを見逃す」リスクを最小化します。

第1段階:自動チェック

  • 予算が0円でないか
  • 実績データが入力されているか
  • 予算と実績の差異が計算されているか

所要時間: 自動(0分)

第2段階:AI判定

  • 予算の妥当性(過去の実績、市場動向との整合性)
  • 実績の分析の妥当性(原因が適切に分析されているか)
  • 予算と実績の比較の妥当性(差異、原因が適切か)

所要時間: 10分/月

第3段階:人間の最終確認

  • 予算と実績の乖離が大きい案件(±20%以上)
  • 新規事業や特殊な要件
  • 経営陣への報告内容

所要時間: 30分/月(全体の20%程度)

実践的な予算策定の方法

tugiloが実際に使っている予算策定の方法です。

1
手順

1. 過去の実績データの分析

  • 過去3年分の実績データを分析
  • トレンドを把握
  • 季節変動を考慮

2. 経営計画との整合性確認

  • 経営計画の目標と整合性を確認
  • 目標達成のための施策を検討
  • リスク要因を特定

3. 市場動向の考慮

  • 業界トレンドを分析
  • 競合情報を分析
  • 市場環境の変化を考慮

4. 予算の策定

  • 過去の実績、経営計画、市場動向を総合的に考慮
  • 予算を策定
  • 根拠を明確化

予算と実績の比較:ベストプラクティス

tugiloが実際に使っている予算と実績の比較方法です。

差異の分析

±5%以内: 予算通りに進んでいる

±5-10%: 軽微な差異、要監視

±10-20%: 中程度の差異、要対策

±20%以上: 大きな差異、要確認

原因の特定

売上差異: 市場環境、競合、施策の効果

経費差異: コスト増、効率化の効果、予算の見積もり

その他: 特殊な要因、予期しない事象

KPI:時間と精度を測る

tugiloが現場で測っている指標です。

予算策定時間: 1週間 → 2日(71%削減

実績分析時間: 1日 → 2時間(75%削減

予算精度: 70% → 85%(15ポイント向上

経営判断のスピード: 1週間 → 1日(86%削減

失敗を避ける:3つのチェックポイント

失敗パターン1:予算策定の基準を後回しにする

症状: AIで予算を策定したが、基準が統一されていなくて不公平

対策: 最初に「予算策定の基準」を決める。過去の実績、経営計画、市場動向の重み付けを明確にする。

失敗パターン2:実績分析が抽象的

症状: AIで実績を分析したが、原因が抽象的で対策が立てられない

対策: 「実績分析は具体的にする」とルール化する。差異、原因、対策を具体的に記述する。

失敗パターン3:予算と実績の比較を怠る

症状: 予算を策定したが、実績との比較を怠って経営判断に間に合わない

対策: 「予算と実績の比較を定期的に行う」とルール化する。月次、四半期、年次で比較する。

実践的な予算管理フロー

tugiloが実際に使っている予算管理フローです。

1
手順

1. 予算の策定(年次)

  • 過去の実績データを分析
  • 経営計画と整合性を確認
  • 市場動向を考慮
  • 予算を策定

2. 実績の分析(月次)

  • 月次で実績を分析
  • 予算と実績を比較
  • 差異と原因を特定
  • 改善提案を作成

3. 経営陣への報告(月次)

  • 予算達成状況を報告
  • 差異と原因を報告
  • 改善提案を報告
  • 次のステップを確認

4. 予算の見直し(四半期)

  • 四半期で予算を見直し
  • 市場環境の変化を考慮
  • 予算を調整
  • 経営計画を更新

関連記事

まとめ

予算管理をAIで効率化するポイントは3つです。

  1. 予算策定の基準を先に決める: 過去の実績、経営計画、市場動向の重み付けを明確に
  2. 実績分析を具体的にする: 差異、原因、対策を具体的に記述
  3. KPIで測る: 時間だけでなく、予算精度も見る

「AIツールを入れる」だけでなく、運用の型を設計することが成功の鍵です。

この記事がよかったらいいねを押してね

次廣淳のプロフィール写真

次廣 淳(つぎひろ あつし)

執筆者

tugilo(ツギロ)
中小企業向けに、業務改善・システム開発・AI活用支援を行っています。

これまで、予約管理システム・業務支援ツール・社内向け管理システムなど、実務で使われるWebシステムの設計・開発・運用を担当してきました。

AI活用については、「導入して終わり」ではなく業務に定着するか/事故が起きないかを重視して設計しています。

この記事では、実際の案件や検証を通じて得られた判断基準・失敗しやすいポイントを中心に解説しています。

※ 本記事は、実務での検証や判断経験をもとに整理した内容であり、特定のAIツールやサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。

AI駆動開発 業務効率化 中小企業支援

AIを活用した業務改善をお考えですか?

tugiloでは、AI駆動開発により、従来の1/8の開発期間で高品質なシステムを提供しています。

無料相談する