良いプロンプトより大事なもの

―― AI活用が伸びない会社の共通点

この記事はどんな人向けか
  • AI活用がうまく進まない経営者・担当者
  • プロンプトを工夫しているが成果が出ない方
  • 業務整理とAIの関係を知りたい方

結論から言うと、AI活用が伸びない理由はプロンプトの質ではなく、業務の定義・構造が曖昧なことです。 土台を整えてからプロンプトを磨く。以下では、その順番とtugiloでの進め方をまとめます。

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AIは"質問力"ではなく"前提"で精度が決まる

AIは優秀です。でも万能ではありません。

AIが最も苦手なのは、

  • 前提が曖昧(誰が、何を、いつまでに、という条件が曖昧)
  • 用語が統一されていない(「見積」と「見積書」「見積もり」が混在する)
  • 業務の流れが定義されていない(どこまでが自動で、どこからが判断か不明)

こういう環境です。

たとえば、「見積書をいい感じに作って」と言われても、誰向け?どのフォーマット?消費税の扱いは?値引きはどう処理する?承認フローは?何も決まっていなければ、AIは"それっぽい"答えしか出せません。プロンプトに「丁寧に書いて」「ビジネス向けに」と足しても、前提が曖昧なままでは改善しません。

これはプロンプトの問題ではなく、業務の定義の問題です。


良いプロンプトを追いかける危険

最近はSNSや記事で「このプロンプトをコピペすればOK」という情報がたくさん流れています。

でも、それをそのまま使っても、自社で再現できないことが多い。なぜか。プロンプトの中には、その会社特有の前提が埋まっているからです。

  • 業務フローが決まっている
  • データ形式が統一されている
  • 用語が社内で揃っている
  • 判断基準が明文化されている

こういった土台があるからこそ、プロンプトが機能します。土台がない状態でプロンプトだけ真似すると、「なんか違う」という感覚になります。


本当に大事なのは"構造"

tugiloでAIを使うとき、まずやることがあります。

それは、

  • 業務を分解する(ステップ単位に分ける)
  • 用語を定義する(社内で同じ意味で使う)
  • 入力と出力を明確にする(何を渡して、何を得るか)
  • 例外パターンを洗い出す(よくある「あれはどうする?」を事前に出しておく)

ここを整えます。土台がない状態でプロンプトだけ磨いても、砂上の楼閣です。

入力→処理→出力の型

入力: 顧客情報、商品情報、数量、条件
処理: 単価計算、割引処理、税計算
出力: 見積書PDF、承認依頼メール

ここまで整理できていれば、プロンプトは自然に書けます。逆にここが曖昧だと、どんなに高度なプロンプトを書いてもブレます。


AIは"文脈"を食べている

AIは単発の質問よりも、文脈のある情報を与えたときに力を発揮します。

  • これまでの経緯(なぜこの判断になったか)
  • 過去の判断(似たケースでどうしたか)
  • 制約条件(予算・納期・組織のルール)
  • 業界特有のルール(業界の慣習や法規制)

これらが整理されていると、回答は安定します。逆に、「この条件でやって」とだけ言われても、AIは一般的な知識から推測するしかありません。

だからtugiloでは、要件定義、Fit & Gap、仕様書、実装計画をすべてテキストで残します。構造化して。これはAIのためだけではありません。人間の理解のためでもあります。人が読んでも「何が決まっていて、何が未確定か」が一目で分かる形にしておく。


プロンプトは"最後の工程"

よく「AIがうまくいかない」と相談を受けます。話を聞くと、

  • 業務が属人化している
  • 例外処理が人の頭の中
  • そもそもルールが曖昧

ということがほとんどです。

その状態で「プロンプトを改善したい」と言われても、それは順番が逆です。プロンプトは、業務が整理され、前提が共有され、定義が明文化された、その後に来るものです。いわば、最後の工程


先に決める3つのこと(プロンプトより前)

「構造を整える」と言っても、何から手を付ければいいか迷います。tugiloでは、まず次の3点を決めます。これが決まると、プロンプトは自然に書けます。

  • 入力:AIに渡す材料は何か(どこから取るか、形式は何か)
  • 出力:何をゴールとするか(メール文、見積の草案、要点整理など)
  • 例外:どこからが判断か(値引き、急ぎ、承認フローなど)

ここが曖昧なまま「良いプロンプト」を探すと、再現性が出ません。逆に、入力・出力・例外が揃っていると、プロンプトは短くてもブレません。AIを賢くするのは言葉のテクニックではなく、前提の設計です。


失敗パターン:プロンプト集が増えるほど精度が落ちる

よくあるのが「プロンプト集を増やす」運用です。案件ごと・担当者ごとにプロンプトが増え、いつの間にか前提がズレます。すると、同じ依頼でも出力が揺れて「AIって当てにならない」となりやすい。

必要なのはプロンプトの数ではなく、前提の共通化です。入力データの形式、用語、判断基準を揃える。そこが揃っていれば、プロンプトは少なくても回ります。tugiloは「増やす」より「揃える」を先にやります。


AI活用が進む会社の特徴

逆に、AI活用が進む会社には共通点があります。

  • 用語が統一されている(「見積」は常に同じ意味で使う)
  • 業務フローが図解できる(紙に書ける=言語化されている)
  • 判断基準が文章化されている(例外の判断が明文化されている)
  • ドキュメントが更新され続けている(古い情報で止まっていない)

つまり、整理する文化がある。そこにAIを入れると、一気に加速します。AIは「すでに整理されているもの」をより速く、より広く活用する装置だからです。


AIは魔法ではない

AIは優秀です。でも、混乱した環境を一瞬で整える魔法ではありません。AIは、整えられた情報をより速く、より広く活用するための装置です。散らかった部屋をAIに「片付けて」と言っても、何をどこに置くかは判断できない。人間が「ここは本棚、ここはゴミ箱」と決めておかないと、動けないのと同じです。

だからこそ、良いプロンプトを探す前に、高度なツールを契約する前に、まずやるべきことがあります。業務を言語化すること。前提を明文化すること。構造を持たせること。 遠回りに見えて、実はこれが最短ルートです。


まとめ:プロンプトより環境をつくる

良いプロンプトは、たしかに大事です。でも、本当に大事なのは、そのプロンプトが成立する環境を作ること。AI時代に問われているのは、質問力よりも整理力かもしれません。

プロンプトを磨く前に、業務を整える。そのほうが、結果的にいちばん早い。tugiloでは、AIを入れる前にそこから始めます。要件定義、Fit & Gap、仕様書をすべてテキストで構造化する。土台が整ってから、プロンプトを書く。遠回りに見えて、実は最短だからです。

tugilo視点まとめ

プロンプトが効く会社には、必ず「定義された業務フロー」「整理された要件」「構造化されたドキュメント」がある。tugiloはそこから設計します。

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tugiloから一言

プロンプトの前に、業務を整える。tugiloは要件定義・Fit & Gap・仕様書をすべてテキストで構造化します。AI活用でお悩みがあれば、一緒に土台から見直しませんか。

AI活用や業務整理でお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。